漠然と万人向けと考えているとかえって誰からも支持されないということにもなるため、「顧客を絞り込む」思考が重要になります。
佐藤義典著「実践マーケティング戦略」(日本能率協会マネジメントセンター)を参考として。
顧客層を絞る
誰に向けて売っているか分からないものは、誰の目にも止まりにくいという特徴があります。
すなわち、逆にいえば、”誰かに向けて自信を持って売る”という姿勢が重要なのだろうと思います。
そうすると、「顧客を絞る」という発想が重要になってきます。
絞るための「層」
顧客をどのように絞るのか。
ある程度の需要が見込むことができる「層」に切り分けて、その「層」に向けて訴えかけるということになります。
層の切り分けにあたっては、以下のような分け方が考えられます。
切り口
人口統計的
人口統計的な切り分け方が考えられます。
- 居住地域
- 性別
- 年齢
- 職業
ライフスタイル
ライフスタイルで切り分けるというアプローチもあります。
- 流行の先端を追う層
- 流行を後追いする層
- 流行に逆行する層
- 流行に無頓着な層
- マイペース層
流行への乗り方
流行への乗り方で切り分けることもできます。
- リスクを取っても最先端を買おうとする層
- 最先端層を見ながら、早めに流行に乗って買おうとする層
- 流行になってから買う層
- 流行から少し遅れて買う層
- 最後の最後に買う層
- 買わない層
どのように切り分けるか
切り分け方には、注意すべきポイントがあると考えられます。
客観的であること
”こんな感じ”では、具体的な施策を考えることができません。
客観的な基準(外食の頻度など統計可能な具体的な行動)で分ける必要があります。
利益が出る規模であること
小さく切り分けすぎると、そもそも市場規模が小さく、事業として成り立たないということになります。
シンプルであること
複雑に分け過ぎると、複雑で分かりづらくなってしまい、社内共有が難しかったり、再現性がなかったりします。
切り分けた層に差があること
なんとなく切り分けた層には、実は差がなかったりすることもあるため、差がないのであれば分ける必要がないということになります。
具体的にアプローチできること
その後に広告を出すとして、具体的なリストがなければ、無意味になってしまいます。
掛け合わせる
顧客を絞り、一定の顧客層に訴えかける体制ができても、個性やインパクトが薄い場合もありえます。
その場合には、掛け合わせていくことで、唯一無二の存在感を出すことができます。
例えば、以下のような絞り方を組み合わせることで、その分野では唯一無二になることができます。
- 顧客層で絞る
- 具体的な商品で絞る
- 地域で絞る
また、その層が自社の強みに合致しているか、についてもよく考えたいところです。