新規事業においては、その事業が健全に成長していくために、そのフェーズにあわせて、どのような経営数字に着目していくべきか考えておきたいところです。
小山昇著「社長!儲けたいなら数字はココを見なくっちゃ!」(すばる舎)を参考にして。
会社の成長ステージによって見るポイントが変わる
事業がある程度軌道に乗った状態であれば、売上・粗利額・粗利率・経費・利益・資金推移・貸借対照表の状態など、見るべきポイントが固まってきます。
ただ、事業を新規に立ち上げてから軌道に乗るまでというフェーズにおいては、フルパターンで経営数字を確認するというよりも、そのフェーズごとに重点して見ていくべき経営数字のポイントも変わってきます。
新規事業で見ていくポイント
小山昇著「社長!儲けたいなら数字はココを見なくっちゃ!」(すばる舎)を参考として、新規事業において、どの経営数字を重点的に見ていくべきか、まとめてみました。
立ち上げ当初
「売上」
利益などの他の要素ももちろん重要なのですが、そもそもの事業のお金の流れの起点は「売上」であり、これがあって他のお金の流れも出来てくることから、特に立ち上げて1年目は、まずは「売上」が上がるかどうか、上げられるかどうか、そのペースなどを見ていく必要があります。
売上が上がってきたら
「粗利益」「営業利益」
1年目で「売上」が上がってきたとしたら、その「売上」がその後にうまく流れているかどうかを見ていく必要があります。
特に、「粗利額」が取れているかどうか、「営業利益」が収支分岐点を上回って十分に上がっているかどうかを見ていく必要があります。
利益も十分上がってきたら
「粗利率」「貸借対照表の諸要素」
利益が十分に上がってきたら、「粗利率」がコントロール下にあるか、「貸借対照表の諸要素」、つまり、債権の回収ペース、在庫管理の状況、設備投資の稼働状況、有休資産の有無、回っていない投資等資産の有無、支払サイクルなどをチェックし、全体が健全に回っていくよう目標を立てていく必要があります。
何を目標にするかによって、行動も変わり、命運も変わる
最初からすべての経営数字を等しく見ていくと、安全なように見えて、かえって行動の優先順位がつけづらくなり、行動そのものが停滞するリスクがあります。
成長フェーズごとに、優先順位を決め、目標とする経営数字を定めることによって、日常の行動は変わってきます。
行動の方向性と量によって結果は変わっていきますので、”何を目標にすべきか”は常に考えたいところです。