されど「率」

最終的には「率」よりも「額」で見るべきではあるのですが、「率」も有用な判断基準です。

小山昇著「社長!儲けたいなら数字はココを見なくっちゃ!」(すばる舎)を参考にして。

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「率」よりも「額」で見る

粗利率、労働分配率、売上高経常利益率、流動比率、自己資本比率など、経営状態を見るための「率」は多くあります。

ただ、この「率」だけでもって、経営の良し悪しを図ることができるかというと、そうともいえません。

例えば、どれほど粗利率がとても良好だといっても、そもそも売上高が少なければ、粗利益「額」も少なく、経費や借入の支払いに足りなければ、実際問題それで良好といえるのかということになります。

よって、「率」よりも「額」で見なければ、良し悪しは分からないということになります。

「率」も有用な役割を持つ場合がある

では、「率」はまったく使い物にならず、「額」でしか見るべきではないかどうかというと、それもまた違うといえます。

「率」は「率」でとても有用な役割を持つ場合があり、ある程度の「額」の試算を行った後は、「率」で見ていくことで、全体の方向性を掴むことができます。

例えば、必要な粗利額を計算した後に、そのための売上を確保しようと考える場合、粗利「率」で見ていくことによって、月々の売上の方向性の管理はしやすいものになります。

「率」で管理することで、”とにかく売上「額」を増えせばよいのだと曲解してやたらの値引きをしてしまう”といった事態は防ぐことができます。

「率」も十分有用なので、「額」とあわせて確認していきたいところです。

「額」を見るときには分解する

売上「額」だけを見て経営の良し悪しを把握しようとすると、見誤ることも多いものです。

例えば、仕入価格が相場の変動を受けやすい業種(ガソリン、農産物、輸出入など)であれば、売上が相場の変動により増えているものなのか、自社の努力によって増えているものなのか、売上「額」のみでは判断することができません。

このような場合、「単価」×「数量」に分解し、単価=相場変動、数量=自社努力、というように切り離して考えることができれば、周囲の環境による影響と自社の努力とを分けて推し量ることができます。

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