ニーズや課題は、状況によっても人によっても様々です。
なんとなく感じて対応するのではなく、当初や途中などで言語化して確認しておくと、相手の期待とこちらからの力の入れ具合のボタンのかけ違いを回避することができます。
和仁達也著「コンサルタントの対話術」(かんき出版)を読んで学んだこと、キャッシュフローコーチとして感じたこと。
ボタンのかけ違いを防ぐ
相手が望んでいること・困っていることの優先順位と、自分が売りたいもの・提供したいことの優先順位とが噛み合っていないと、ボタンのかけ違いが起こってしまいます。
どれだけ熱量込めて自分が売りたいもの・提供したいことを力説しても、相手がそれを重視していなければ響くことがありません。
そのようなことを防ぐためにも、相手が何を望んでいるか・何に困っているかの優先順位を把握することが必要といえます。
ニーズ(課題)を言語化して相互確認しておく
相手が何を望んでいるか・何に困っているか(ニーズ、課題意識)ということについて、話のなかでアンテナを張ってさえいれば、それをなんとなく読み取ることは可能な部分もあります。
しかし、できればさらに突っ込んで、相手が何を課題と捉えているか・何に困っているかということを、一緒に考えて、一緒に言語化し、共通認識を持つところまで行った方がいい気がしています。
というのは、そもそも相手が何を望んでいるか・何に困っているか(ニーズ、課題意識)ということについて、最初から明確に言語化できていればよいと思うのですが、そのようなケースはかなり少なく、えてして漠然していることが多いように感じるためです。
相手の漠然とした課題意識をこちら側が感じ取る・汲み取るということにとどまらず、明確に言語化し、お互いにはっきりとした言葉で明確に課題を共有する、というところまで行くことができれば、ボタンのかけ違いが起きる可能性も限りなく少なくなり、すれ違い・行き違いが防げ、相手の満足度も高くなるように思います。
また、最初または定期的に課題を共有しておくことは、相手の満足度が高くなるのみならず、自分自身も不安にならずに済みます。
相手の期待の場所や大小が分からないまま、闇雲に突っ込んでいくということは、相手のためにならないばかりか、自分自身の衛生上もよくないと感じます。
優先順位は基本的に”相手起点”にする
相手の役に立とうと思うとき、相手が困っていることを解決する・望んでいることをサポートする、ということが基本です。
課題の言語化の過程で、自分が思う相手の課題を伝え、相手がその盲点に気づいてくれ、その解決を望むのであればそれもひとつのきっかけではありますが、その際には、その優先順位も確認したいところです。
相手からすれば、困っていること・望んでいることランキングの上位であればあるほど解決に対する関心はありますが、一方で、下位に行けばいくほどその関心は薄れていきます。
あくまで、相手が困っていることを解決する・望んでいることのランキングは、”相手起点”とし、言語化の過程でその優先順位についても確認しながら進めるということも重要かといえそうです。