外部から話を聞く場合、”他人ごと”と捉えて話を聞くか、”自分ごと”と捉えて話を聞くかで、話への集中力は大きく異なるものになります。
和仁達也著「コンサルタントの対話術」(かんき出版)を読んで学んだこと、キャッシュフローコーチとして感じたこと。
”他人ごと”は、自分のなかに入ってこない
他人から話を聞く場合、セミナーを受ける場合、それらに限らずテレビを見ている場合でもいえることですが、自分にとっては関わりのない”他人ごと”という心持ちで話を聞く場合には、なかなかその話は自分のなかに入ってきません。
一方、”自分ごと”と捉えるような話であれば、自分にとって必要な情報であるため、とても集中して、前のめりになって話を聞くことになります。
これほど、ひとつの話でも、”他人ごと”と捉えるか・”自分ごと””と捉えるかで、結果は大きく異なるものとなります。
話し手として、大事な話の前に考えるべきこと
上記のことは、聞き手という立ち位置としてはよく分かる話です。
一方、立場が逆になり、話し手側となると、途端に色々と分からなくなってきます。
たとえ、自分が誰かに物事を伝えたいと思っていて、かつ、それが相手にとって必要だとどんなに思っていたとしても、聞き手側が”他人ごと”と捉えて聞いている限りにおいては、その重要性も内容もなかなか伝わりません。
まず大事なことは、自分側で”相手にとってこのことが必要に違いない!”ということを考えすぎないことかもしれません。
それにとらわれすぎていると、最初の入口の段階から”ボタンのかけ違え”でスタートすることになりかねず、最初から非常に高いハードルになってしまいます。
”相手が何を必要と思っているか”ということを話し手側で勝手に想定することは、ほぼ不可能に近いことです。
よって、「相手に聞かなければ分からない」といえます。
言語化スキル
とはいえ、相手が「自身にとって何が必要か」ということを、明確に認識している場合ばかりとは限りません。
明確に認識していればどのようにすればいいか分かりますし、行動にも移しやすいと思うのですが、そうでないとしたら「自身にとって何が必要か」ということは明確になっておらず、”漠然としている部分”が多い状態、ということができます。
この点、相手の話を聞きつつ、相手が困っていることを丁寧に言語化していく姿勢が必要といえます。
加えて、その困っていることに関する同様の事例などを交えて話をすると、はじめて聞き手側で”自分ごと”と捉えてくれ、聞く姿勢を持ってくれるようになります。
「自分にできること」の話は最小限にして、「相手が何を必要としているか」ということの言語化・事例の話にフォーカスしていくと、相手との話も有意義になる気がします。