金融機関から融資を受けやすくするには

設備投資などで金融機関から融資を受けたいと思ったときに、受けやすくなっているのといないのとでは、事業の方向性もスピードもまったく異なるものになっています。

水野剛志著「飲食店経営で成功するための「お金」のことがわかる本」(日本実業出版社)を参考として。

目次

金融機関から融資を受けやすいかどうか

何かしたいと思ったときに融資を受けやすいかどうかは、事業に大きな影響を及ぼします。

販路を広げて売上を拡大するにはまとまった仕入資金が必要ですし、新しい何かをするにはまとまった設備投資資金が必要なときもあります。

融資が受けやすいかどうかは、短期的に何かをして繕えるものでもなく、これまでどのように実績を積んできたかを見られることが多く、どのような方向性で実績を積んでおくべきかという視点を持っておきたいところです。

金融機関が持っている”借入額の目安”

自社がどれくらい借りられそうか、ということは気になるところです。

金融機関が持っている、その会社に対して持っている”借入額の目安”は「月商の2・3ヶ月分」といわれています。

3ヶ月分を超えてくると慎重になり、6ヶ月分を超えてくると融資を断るという傾向があるといわれています。

重視すべきポイント

金融機関がその会社の”実績”を見るときには、以下のポイントを重視するといわれています。

一貫して見られるのは、「返済能力(貸しても返ってくるか?)」です。

現預金

現預金残高が多ければ、「返済能力」は高く、安全性も高いといえます。

  • 月商の1ヶ月分未満 → 自転車操業の不安定な会社と見られる。
  • 月商の1・2ヶ月分以上 → 標準的と見られる。
  • 月商の3ヶ月分以上 → 財務的に優秀

これは、必ずしも自己資金だけではなく、借りたお金でもよいといわれています。

安全性が高いと判断されればより有利な条件で借りることもできるため、資金はできるだけ融資の相談をする頻度の高いメインバンクに預け入れておくのがよいといえます。

自己資本

債務超過になっている会社は、”自己資金がなく借入過多になってしまっている会社”であることを示しており、金融機関が最も嫌がることのひとつです。

逆に、自己資本比率が高い会社は、”自己資金が多い会社”であることを示しており財務健全性が高いことを示しています。

「自己資本比率が30%以上であるか」が目安であるといわれています。

借入金

借入がすでに多すぎる場合、返済能力の余力がないことになります。

  • 借入が月商の6ヶ月分以上 → 借入過剰のため融資を断ることが基本スタンス
  • 借入が月商の3~6ヶ月分 → 借入過剰になりつつあるので融資に慎重
  • 借入が月商の1~3ヶ月分 → その枠内であれば積極的に融資していけると判断される

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