相手に何かを伝えようとするとき、どのような順番で検討し、整理しておけばよいか。
森岡毅著「苦しかったときの話をしようか」(ダイヤモンド社)を参考にして。
何が相手に伝わるか
他者に自分の考えを伝えようとするときには、どうしても「どのように」という点に思いがいってしまいがちです。
”うまく話さなければいけないのではないか”と思えば思うほど、よほどコミュニケーション上手な人を除いて、誰しも劣等感のなかでどうしても自信を失いがちになります。
しかしながら、聞く側の立場に立ってみると、相手の”話し方の巧拙”よりも、その”内容”に重きを置いて聞いていることに気づかされます。
たとえ、話し方がそこまで上手ではなかったとしても、その”内容”にどれほど価値のあるものかどうかに頭を巡らせているものです。
つまり、「中身(WHAT)」と「伝え方(HOW)」は掛け算になっているということができます。
どれだけ話し方がうまくても、中身が0ならばどれだけうまく話そうとも、全体としてはやはり0になってしまいます。
中身(WHAT)を検討するには
上記のとおり、「中身(WHAT)」×「伝え方(HOW)」であって、さらにいえば「中身(WHAT)」の方が大事だといえます。
とはいえ、「中身(WHAT)」を考えようと思っても、とても漠然としています。
森岡毅著「苦しかったときの話をしようか」(ダイヤモンド社)ではっと気づかされたのは、”「中身(WHAT)」を考えようと思えば、「WHO」がよく分かっていないと始まらない。”という点です。
逆にいえば、漠然とした「中身(WHAT)」を考えるうえで「誰に(WHO)」という要素は主軸であるので、「誰に(WHO)」を軸にすれば、おのずと「中身(WHAT)」は整理されてゆくことになります。
WHO(誰に)×WHAT(何を)×HOW(どう)
上記を総合すれば、「誰に(WHO)」×「中身(WHAT)」×「伝え方(HOW)」であるということができます。
「中身(WHAT)」を考えるうえでは、「誰に(WHO)」に軸に置くということ。
「伝え方(HOW)」は確かに大事ながらも、多少まずくてもそれほど重要な問題ではなく、むしろ「中身(WHAT)」の方が重要だということ。
順を追って準備をしておくことで、可能な限り緊張することなく、相手に伝えることができそうです。