ランチェスター戦略の”接近戦”とは?を考えてみる(「弱者の戦略」より)

”顧客対応”は、強者に対して差をつけやすい分野だといえます。

この分野で何を工夫すべきか、時系列に分けて考えみると、それぞれできることが見つかりそうです。

栢野克己(著)竹田陽一(監修)「小さな会社の稼ぐ技術」(日経BP社)を参考として。

目次

ランチェスターの法則のおさらい

ランチェスターの法則を、もともとの軍事の法則として、”勝つために弱者が取るべき戦略”のポイントをまとめると、以下のようなものです。

弱者の戦略
  1. 局地戦:見とおしのよい広い地域ではなく、複雑狭隘な限られた地域で戦う
  2. 一騎打ち:ターゲットを決める
  3. 接近戦:できるだけ接近して戦う
  4. 一点集中:戦闘力を集約し、集中させる
  5. 陽動作戦:動きを見せず、裏をかく

”接近戦”を考える

ランチェスター戦略でいうところの「接近戦」を解釈してみると、

「顧客対応において、他よりも、常に一歩前へ!を考える」


と換言してみると、よく理解できるような気がします。

ヒト・モノ・カネの数(物量)の面では、強者にかなうべくもありません。

一方で、ソフト面である”顧客対応”は、強者に勝つ余地が生まれやすい分野だといえます。

強者の顧客対応は、よい意味でも悪い意味でも、”マニュアル化”されています。

この”マニュアル”にない対応を取るには、組織的な合意が必要であることからなかなかすぐに変更することができません(動きが鈍重になりやすい分野といえます。)。

その点では、弱者の意思決定は、強者に比べてスピーディーに行うことができます。

その場の全体の状況を踏まえて「お客様のために、一歩前へ!」を考えて対応に工夫を入れていくことができます。

時系列で分解してみる

お客様との関わりを時系列に分解してみると、それぞれでできる「接近戦」を考えやすくなります。

アポイント時(前味)

業種にもよりますが、アポイントを取るところから、すでにお客様との関係性はスタートしています。

アポイント時のようなファーストコンタクトで、顧客対応がよいかどうかは、大きな印象を残します。

ちょっとした気遣いが、思ったよりも、大きなよい印象を与えることもあります。

逆にいえば、このときのちょっとした対応の手抜きが、大きなマイナス印象になることもありえるのだと思います。

予約の段階で、”一歩前の気遣いをするには”、と考えてみることはとても効果的である気がします。

提供中

業務の提供中も、ちょっとした気遣いが印象的に映ったりします。

例えば、不特定多数の一般消費者向けの業種で、店内での従業員同士の会話であっても、”○番テーブルさん”と呼び合うのではなく、”名前”で呼び合っているということがお客様に伝わるだけでも、印象は随分と違うものになります。

後味

業務提供後、ホッとして気が緩むのが通例です。

そうしたなかで、提供後のフォロー、お礼の連絡、お礼の挨拶訪問などを行うと、印象に残ります。





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