ランチェスター戦略の”接近戦”とは?を考えてみる②(「弱者の戦略」より)

者に対して差をつけやすい分野だといえます。

この分野で何を工夫すべきか、もう少し具体例を見て考えてみました。

栢野克己(著)竹田陽一(監修)「小さな会社の稼ぐ技術」(日経BP社)を参考として。

目次

ランチェスターの法則のおさらい

ランチェスターの法則を、もともとの軍事の法則として、”勝つために弱者が取るべき戦略”のポイントをまとめると、以下のようなものです。

弱者の戦略
  1. 局地戦:見とおしのよい広い地域ではなく、複雑狭隘な限られた地域で戦う
  2. 一騎打ち:ターゲットを決める
  3. 接近戦:できるだけ接近して戦う
  4. 一点集中:戦闘力を集約し、集中させる
  5. 陽動作戦:動きを見せず、裏をかく

”接近戦”とは、よりお客様に近づくこと

”接近戦”とは、具体的には、「いかにお客様へ接近するか」という方策を探ること、ともいえます。

強者が経営効率の観点から切り捨ててしまいがちなこと”にスポットを当ててみると、強者の知名度の高い商品・サービスがい並ぶなかで、独自の存在感を示すことが視野に入っててきます。

”接近戦”をより具体的に考えてみる

中間業者を見直す

メーカーの場合、通常は、以下のような流通経路を取ることになります。

メーカー → 問屋 → 小売店 → エンドユーザー

”接近戦”を考えてみると、”エンドユーザーの顔が見える距離”と捉えることができます。

上記のような流通網は、大量生産・大量販売には適した方法で、強者にとって有利な方法であるともいえます。

弱者が、強者と差別化して、”接近戦”で勝負していくには、まずはなんとなく当たり前になっている流通網を見直しエンドユーザーへ直販する道を探るということも選択肢のひとつといえるかと思います。

そうすると、中間業者への中間マージンの節約になって利益が増えるといったメリットもありますが、別にも大きなメリットがあります。

それは、”エンドユーザーであるお客様の反応がよく見える”という点です。

お客様が自社商品のどういった点に満足してくれているのか、どういった点を改善して欲しいと考えているのか、どういった商品を欲しいと思っているのか。

そのような情報をダイレクトに感じ、集めることができるということは、より自社商品が”売れる”ための方向を見出していけることにも繋がってきます。

手書き

年賀状などで考えてみても、手書きのメッセージが入っていると入っていないとでは、目を通す時間・確率に差が出てくるように思います。

同様に、お客様への印刷物へ、それぞれのお客様へのメッセージを少しでも手書きで入れると入れないとでは、目に留まる確率・時間に差が出てきます。

クラフト、手作り

大量生産・大量販売は強者のやり方であって、そのなかで、弱者の活路は、

「いかに手作りの部分を入れるか」だと考えることができます。

”手作り”は、強者の最も苦手とする分野だと考えられます(経営効率の観点・均一品質がミッションであるという観点から)。

また、手作りのイメージから派生した「クラフト」も、”作り手のこだわりを込めた少量生産の商品”として、お客様にポジティブに捉えられる傾向もあります。

オーダーメイド、個別対応

それぞれのお客様の個別の状況に応じて最もフィットした物を提案するオーダーメイド・個別対応も、よりお客様へ寄り添う方策です。

個別のお客様とまではいかなくとも、とある層・ステージに焦点を当てて、それに必要なものやサービスをワンストップで揃えておくことも、その層・ステージに属するお客様にとっては、満足のいくものであったりします。

こだわりへ寄り添う

自社のこだわりとお客様のこだわりとが一致する部分に焦点を当て、打ち出していくことで、自社ブランドを磨くことにも繋がりますし、一定のお客様からきちんと支持を得るということも可能になります。

大量生産・大量販売が基本戦略である強者は、”いかに人ごとに入り組んだこだわりを排除してマイルドにするか”という方向性を取るため、その逆を行く戦略によって、一定のポジションを獲得することも可能になってくるということがいえます。

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