漠然とした不安は、言語化してみることが大事です。
言語化することで可視化することができ、客観的に捉えることができるようになります。
それをサポートすることにフォーカスするようにしています。
お客様(経営者)と税理士との基本的な立ち位置の違い
お客様(経営者)の持つ不安・困っていることは、事業そのものに深く根差していることも多く、税理士としてどこまで立ち入ってサポートすることができるのか。
親身に話を聞くとして、ただ相手の立場に完全に同化するような話の聞き方をしても、上記のような事情から、お役に立つことができないと思います。
お客様(経営者)と税理士とは、基本的な違いがあります。
お客様(経営者)の経営は、多くの場合、自らの1社(1事業)のみです。
一方、税理士は、自身の事業だけでなく、業務の特性上、顧問契約という形で実に多岐にわたる業種のたくさんの経営を目にしています。
同化するのではなく、この立ち位置の違いを勘案しながら、自分にできることを考えるようにしています。
事例に多く遭遇する分、言語化する機会も多い
多くのお客様は、自らの1社(1事業)のみであるがゆえに、自身が抱える不安・困っていることがよくあることなのであるかどうかが分からず、なんとなく抱えながら、経営という機密性の高いことであるがゆえに他者に相談する機会も非常に少ないなかで、心のなかにモヤモヤとしてなんとなく残ったままになっていることが多いものです。
一方、多岐にわたる業種のたくさんの経営を目にする機会があるという特性は、多くの事例を目にするということです。
多くの事例を目にしているということは、言語化する機会を多く持つことができるとも言えます。
より多くの事例を「言語化」することによって、様々な事例のことを自分のなかに整理しておく努力を積み重ねることによって、お客様の漠然とした不安やお困りごとの言語化の役に立つことができます。
漠然としたことを言語化することができれば、自分から切り離して客観視することができます。
客観的に形にすることができれば、それに対してどのように解決していくか、方策を立てることができ、物事を前に進めることができます。
相手の立場に立って、言葉を使い分けることが重要
言語を用いる以上、常に言葉遣いに気をつける必要が出てくることも、重要だと考えています。
多種多様な事例は、似ているようで完全に同じということはないわけで、そのことを謙虚に認識しておく必要があります。
話を一部しか聞いていないうちから、こういう問題ですね、といきなり相手の問題を指摘するのは相手のことを知ったかぶりしている可能性があり、相手の立場に立って考えてもいい気持ちがしないのは言うまでもありません。
様々な事例を自分のなかで苦心して言語化し、その顛末も言語化し、自分のなかでよく整理しておくことによって、その事例の話を相手に行うことによって、相手の立場に寄り添って気持ちをひとつにすることができるように思います。
言葉も多くあります。
抽象的な言葉から具体的な言葉、その会社を主観として物事を語る局面、他事例として客観的に物事を語る局面など様々です。