「ない仕事」を作る方法があったら面白いな、と思っていたところ、みうらじゅんさんの「「ない仕事」の作り方」(文春文庫)という書籍がありました。
方法を自分なりにまとめてみました。
ブルーオーシャン戦略
「ない仕事」を作る方法があったら面白いな、と思ったきっかけは、よくマーケティングなどで、「ブルー・オーシャン戦略」という言葉を耳にしたからでした。
「ブルー・オーシャン戦略」とは、INSEAD(欧州経営大学院)教授のW・チャン・キム (英語版)とレネ・モボルニュ (ドイツ語版)が著したビジネス書のなかで述べられている経営戦略論です。
レッド・オーシャンとは、既知の市場で、競争が激しく、市場が赤い血で染まっていることを表現しています。
一方、ブルー・オーシャンとは、未知の市場で、競争がまだなく、利益の成長が見込め、無限の可能性があることを意味する海を表現しています。
特に、市場でトップでない位置にいる企業においては、絶えず追求・開拓していった方がよい分野だと考えられます。
では、その”未知の市場”をどのように創出していったらよいのか、ということになります。
そこで、手にしたのが、みうらじゅん「「ない仕事」の作り方」(文春文庫)です。
みうらじゅんさんは、”ゆるキャラ®”や”マイブーム”といった言葉・現象の仕掛け人として有名です。
「ない仕事」を作る方法(自分なりのまとめ)
みうらじゅんさんは、書籍のなかで、”ゆるキャラ®”という新しい現象・ジャンル・世界観、いわば「ない仕事」をどのように作り、送り出していったのかを紹介されているのですが、再現性が高いよう、自分なりにまとめてみることにしました。
1)心の引っかかりをすくい取る
ここが一番難しそうなところなのですが、何気ない日常のなかで、普段みんなが感じても半日も経てば忘れてしまうような感覚をあえてすくい取る必要があります。
名称・ジャンルがないようなものをすくい上げ、そこに、名称・ジャンルを言語化して”認識”し、世界観を拾い集めることが必要といえそうです。
ちなみに、みうらじゅんさんが「ゆるキャラ®」という名称・ジャンルを言語化し、世界観を拾い集めたときの感覚を以下のように述べています。
「ゆるキャラ」と名づけてみると、さもそんな世界があるように見えてきました。統一性のない各地のマスコットが、その名のもとにひとつのジャンルとなり、先に述べた哀愁、所在なさ、トゥーマッチ感、郷土愛も併せて表現することができたのです。
みうらじゅん「「ない仕事」の作り方」(文春文庫)より
2)自分が一番のファンとなる
自分が、そのジャンル・世界観の一番のファンである必要があります。
3)圧倒的な量を収集する
圧倒的な量を揃えると、その世界観がより具体的なものとしてバリエーション豊かに伝わります。
4)情報発信する
自分が好きだと思う熱意と世界観を情報発信していきます。
「ない仕事」を作るセンスを磨く
これまで、慣れ親しんだアイデア・分野に凝り固まっていても、その切り口はレッド・オーシャンであるわけです。
トップシェアを有する立場でない限り、絶えずブルー・オーシャンを開拓する感覚が必要だと思いますし、”ではどうやって?”という場合において、「ない仕事」を作る方法はとても参考になりました。
おおもととなる感覚として、”何気ない日常のなかで、普段みんなが感じても半日も経てば忘れてしまうような感覚をあえてすくい取る”感覚が必要だな、と感じていて、センスが必要だと感じています。
しかしむしろここはあまり完璧なものにこだわらず、とにかく”感じたことを日頃から言語化し、記録する”ことの積み重ねではないかと思っています。