ただ「聞く」といっても、”自分の言いたいことを考えながら聞く”のと、”相手の言いたいことを考えながら聞く”のとでは、大きな違いが出ます。
安達裕哉著「頭のいい人が話す前に考えていること」(ダイヤモンド社)から考えたこと。
目次
自分の言いたいことを考えながら聞く
「聞く」には、大きく分けて以下の2つが考えられます。
- 自分の言いたいことを考えながら聞く
- 相手の言いたいことを考えながら聞く
話す側は、聞く側が思っている以上に、聞く側の反応・態度・頭の中などを感じ取ります。
なかでも、”自分の言いたいことを考えながら聞く”と、様々な弊害が出ます。
- 相手の意図を汲み取れず、自分の都合のよいように理解してしまう
- 相手の事情や真意を理解できないまま、的外れなこと(”自称”アドバイス)を言ってしまう
- 臨機応変さがなく、相手の話したい方向についていかない
逆に、”相手の言いたいことを考えながら聞く”とは、どのようなことなのか。
- 細部まで聞く
- 正確に聞く
- 相手の”言いたいこと”が分かるまで聞く
- ”学ぼう”という姿勢で聞く
- 話し手への敬意を持つ
聞く”態度”を整える
さらに”相手の言いたいことを考えながら聞く”ためには、聞く”態度”を整える必要があります。
- 肯定・否定せず、評価せず、受け止める
- 安易に意見を言わない
- 話が途切れたらそのままにする(相手は考えているかもしれない)
- 好奇心を持って聞く
- 聞ききった後、”相手は自分に何を言ってほしいのか”考える
(賞賛、共感、アドバイス、提案、慰めなど)
人は「理屈」ではなく「感情」で動く
どれほど的確なアドバイスをしても、相手がいっこうに動かないことがあります。
なぜなら、人は「理屈」ではなく「感情」で動くからです。
動かない場合に動かない理由を聞いてみると、理屈(時間がない、権限がない、わからないなど)が返ってくるものですが、その真意は”気が乗らない”という感情であったりします。
つまり、本当に相手の役に立とうと考える場合、すべきなのは素晴らしい理屈で固めた”アドバイス”ではなく、”状況と感情をきちんと整理する”ことであったりします。
「整理」することで、余分な情報が削ぎ落とされ、判断に必要な情報だけを残していくことができるからです。