会社経営におけるちょっとした選択の違いが、将来的に会社を救うこともあれば、致命傷になることもあります。
松岡靖浩著「会社をつぶさない社長の選択」(かんき出版)を参考にして。
車の購入は「リース」か「割賦(ローン)」か?
社用車やトラックを導入する際、初期費用が抑えられて管理もラクな「リース」か、購入代金を分割払いしていく「割賦(分割払い)」かという選択があります。
ポイントは、「いざという時に売却して現金化できるか」という点にあります。
業績が悪化し、資金繰りが苦しくなった場合。
割賦購入であれば、車を売却することで会社にまとまった現金(真水)を入れることができ、企業再生のための時間を稼ぐことができます(アセットファイナンス)。
一方、リースの場合、所有権はリース会社にあるため勝手に売却はできず、中途解約すれば高額な違約金が発生します。
経営の安全性を第一に考える場合、「所有」してコントロールできる割賦購入がよいと考えられます。
| 比較項目 | リース | 割賦(ローン) |
|---|---|---|
| 手間の少なさ | 〇(車検や税金の手間がない) | △(自社で管理が必要) |
| 途中解約・売却 | ×(違約金発生・売却不可) | 〇(売却して現金化が可能) |
経営者が優先して見るべきは「P/L」か「B/S」か?
経営者にとって数字の把握は必須ですが、「損益計算書(P/L)」と「貸借対照表(B/S)」、どちらを優先すべきか?
”儲かっているか知りたいから利益がわかるP/Lを見る”という方が多いかもしれませんが、実は大事な鍵は「貸借対照表(B/S)」にあります。
P/Lは「利益」を追いかける成績表、B/Sは現預金や借入金など「資産」の流れを追いかけるもの。
ただ、P/Lしか見ていないと、”黒字倒産”に陥る危険性があります。
- P/Lだけを見る
「売上も利益も出ているからもっと仕入れて事業を拡大しよう!」 - 現実のキャッシュフロー
入金は2ヶ月後なのに、支払いは1ヶ月後。手元の現金がどんどん減る。
B/Sをしっかり見ていれば、「手元の現金が減っているぞ。入金サイクルを早めよう」と事前に資金繰りの対策(追加融資やファクタリングなど)を打つことができます。
銀行が融資の際に真っ先に見るのもB/Sです。利益だけでなく「資産」を見る癖をつけましょう。
重視すべきは「財務会計」か「管理会計」か?
注力すべきは「管理会計」であると考えられます。
- 財務会計
銀行や税務署など「社外」に財務状況を報告するための会計 - 管理会計
経営者が自社の状況を把握し、未来の戦略を立てるための「社内」の会計。
財務会計(過去の正確な記録)は専門家に任せ、社長はそこから上がってきた数字を「どう経営に活かすか(管理会計)」に頭を使うべきと考えられます。
管理会計を導入する道筋として、以下の2つを把握しておいたほうがよいと考えられます。
- 粗利益率
売上に対する粗利益の割合。
これが低いといくら売上を上げても経費を賄えず、赤字になります。 - 損益分岐点
いくら売上を上げれば、赤字にも黒字にもならないかライン
たとえば、原価率が極端に高い(粗利益率が低すぎる)こだわりの飲食店を開業したとしても、商売としては成り立たずすぐに廃業してしまうケースもあります。
指標が分かっていれば、「損益分岐点まで余裕があるから、利益率の高い事業にシフトしよう」といった的確な経営判断が可能になります。
