会社の資金繰りが厳しくなった時、経営者はどのような判断を下すべきか。2つの選択肢を比較しながらピンチを乗り越えるための正しいアプローチを考えます。
松岡靖浩著「会社をつぶさない社長の選択」(かんき出版)を参考にして。
資金調達の選択:「補助金」vs「助成金」
事業をサポートしてくれる国や自治体の制度として「補助金」と「助成金」があります。
資金繰りが苦しい時に選ぶべきはどちらでしょうか。
資金繰り改善という観点で考えると、「助成金」の獲得を優先したほうがよいと考えられます。
補助金は「後払い」かつ「審査」がある
補助金は、新規事業の設備投資や販促費などに対して給付される手厚い制度ですが、注意すべき特徴があります。
- 原則として後払い
先に経費を自己資金で支払う必要があり、手元に資金がないと活用が困難なものです。 - 予算の上限と審査
申請すれば必ずもらえるわけではなく、予算状況によっては採択率が厳しくなります。
助成金は「要件を満たせば支給される」
一方、助成金(例:雇用維持に対する助成など)は、事前に定められた要件さえ満たせば、原則として必ず支給されます。
審査で落とされるリスクが低いため、資金計画が立てやすいのが大きなメリットです。
返済猶予の選択:「銀行の条件変更」vs「ノンバンク」
銀行への返済が厳しくなった時、「銀行へ条件変更(リスケジュール)を頼む」か「一時的にノンバンクでお金を借りてしのぐ」か、悩む経営者は少なくありません。
ノンバンクは「ごく短期間のつなぎ」に限定する
売上の入金が数日後に迫っているなど、ごく一時的な資金不足であれば、ノンバンクを利用して返済資金を立て替える方法もありえるとも考えられます。
これにより、銀行へ条件変更を頼まずに済み、後日銀行からの追加融資を受けやすくなるというメリットがあります。
銀行への返済目的でノンバンクを使い続けるのはNG!
絶対に避けるべきなのは、銀行への返済資金を作るためにノンバンクから借入れを続けることです。
一般的な銀行融資の金利(1〜2%程度)に対し、ノンバンクの金利は最高15%ほどになることもあり、支払利息で収益力が一気に悪化してしまいます。
返済負担軽減の選択:「複数の銀行へ返済」vs「借換保証制度」
複数の銀行から融資を受けており、毎月の返済額が大きな負担になっている場合の選択肢です。
「借換保証制度」で融資を一本化する
近年では「借換保証制度」などを活用し、複数の銀行からの借入れを一つの銀行にまとめる(借り換える)ことがしやすくなっています。
借り換えのメリットとデメリット
- メリット
複数の融資を一本化し返済期間を見直すことで、毎月の返済額を大幅に減らすことができます。 - デメリット
返済期間が延びる分、トータルで支払う利息の総額は増える傾向にあります。
借り換える金融機関の選び方
都市銀行と信用金庫の両方から借りている場合、金利だけを見れば都市銀行にまとめたくなります。
しかし、長年付き合いのある信用金庫から融資を引き上げてしまうと、今後の関係性に影響が出る可能性があります。
