【Claude活用】データは残すほど資産になる―Claude Codeが教えてくれた「知見化」という視点

毎月、顧問先の帳簿を作成・チェックするたびに、確認が必要だと感じた項目を口頭で済ませず、必ず「確認事項スプレッドシート」に書き残しています。
その場では小さな違和感でも、記録として残しておけば、次に同じ顧問先を作成・チェックするときにそのまま使える材料になります。

池田朋弘『Claude 最強のAI自動化術』(芸術新聞社)を参考にして。

目次

動画1000本のライブラリーが、AIの時代に価値を変えた

コラムで紹介されていたのは、著者が以前経営していた会社での出来事です。

「全部録っておけば、次の人が使えるはずだ」という発想

退職するベテラン社員に、業務のすべてを画面録画で残してもらったところ、いつしか1000件を超える動画ライブラリーになっていたそうです。

当時の目的は、新入社員の受け入れや、欠員が出たときのカバーなど、あくまで「人が見て学ぶ」ためのものでした。

動画があるだけで、新人の立ち上がりが早くなる。

それ自体は、多くの会社に当てはまる実感だと思います。

AIが動画やテキストを横断的に読める時代になって、価値が変わった

AIが大量のデータを横断的に読めるようになった今、1000件のライブラリーはまた別の価値を持ちます。

AIに全部読ませれば、マニュアル化や業務のポイント整理が、以前ほど手間をかけずに済むのです。

整理した内容を蓄積しておけば、自社の業務手順に沿った成果物を作る仕組みづくりもずっと現実的になります。

同じ記録でも、「人が見て学ぶための素材」から「AIが読んで整理する素材」へと、役割そのものも変わっていくのかもしれません。

これまでは、動画を1本ずつ見返してマニュアル化する作業自体に、相応の手間がかかっていました。

だからこそ「録っておいたのに、結局誰も整理しないまま眠っている」という状態も珍しくなかったはずですが、AIが横断的に読めるようになったことで、この「整理する手間」の部分がまるごと肩代わりされるようになった、というのが変化の核心だと感じています。

動画ライブラリーが「人が学ぶための記録」から「AIが整理する素材」に変わる、という価値の転換を示す図

顧問先ごとの「確認事項」を、口頭で済ませずに残す理由

月次チェックで引っかかった点を、必ず言語化して残す

クライアントごとの月次帳簿チェックでは、確認が必要な項目や、少し引っかかった点が必ず出てきます。

以前は、その場の口頭で解決してしまえば、記録として残さずに終わらせることもありました。

今は、社内記録として、確認事項スプレッドシートに書き残すようにしています。

「なぜ引っかかったのか」「どう確認し、どう判断したのか」まで、できるだけ言語化して残す、という運用です。

例えば、ある勘定科目の使い方がいつもと違っていたとき、単に「修正しました」で終わらせず、「なぜそう処理したのか」「その顧問先ではどういう経緯があったのか」まで書き添えておきます。

一件一件は地味な記録ですが、これを毎月積み重ねていくことで、単なる作業ログではなく、事務所にとっての知的資産に変わっていくと感じています。

蓄積されたメモが、顧問先ごとの「カルテ」になる

この運用を続けていると、Claude Codeが過去のクライアントごとの傾向を認識した上で、チェック作業に活かせるようになってきました。

毎月の記録が積み重なることで、その顧問先特有の癖や、繰り返し起きやすいミスのパターンが見えてきます。

いわば、顧問先ごとの「カルテ」が、自然にできあがっていくような感覚です。

記録を残さずに口頭でのやり取りだけで済ませていたら、この蓄積は起きなかったはずです。

記憶は薄れますが、記録は薄れないのです。

データを残す習慣が、専用AIの土台になる

ここまでの話に共通しているのは、ローデータをどれだけ丁寧に残せているか、という一点です。

ローデータの価値は、後から決まる

動画ライブラリーも、確認事項スプレッドシートも、記録した時点では「今の業務のための記録」でしかありません。

ところが、AIが大量のデータを読んで整理できるようになった今、その記録は未来の専用AIの土台に変わります。

ローデータを溜めておけば、後からAIが整理してくれる時代になった、ということだと理解しています。

これは、記録した本人が想定していなかった使い方が、後から生まれるということでもあります。

確認事項スプレッドシートも同じで、記録している時点ではあくまで「今月のチェックで確認したこと」でしかありません。

ところが数か月分、数年分と積み重なった時点で、それは「その顧問先固有の傾向を映すデータベース」に変わります。

書いているときには、そこまでの価値を意識していなくても構わないのだと思います。

確認事項スプレッドシートへの記録が蓄積され、顧問先ごとのカルテとしてAIに参照される、という流れを示す図

まず「残す」ことから始める

特別なシステムを用意しなくても、口頭で済ませず記録に残す、というだけで始められます。

どんな形式で残すかより、まず残す習慣そのものが、後からの知見化を左右するのだと感じています。

帳簿に限らず、経営者にとって、日々の判断や気づきをメモに残す習慣は同じ意味を持つはずです。

今すぐ使い道が見えなくても、記録さえ残っていれば、後からAIに整理してもらう、という選択肢が生まれます。

逆に、記録が無ければ、どれだけ優れたAIがあっても、整理する材料そのものがありません。

おわりに

顧問先ごとの確認事項も、日々の業務の中で感じた違和感も、まずは言語化して残しておく。

それだけで、将来AIが読み込んだときに、事務所ごとの「カルテ」や、専用AIの土台になっていきます。

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この記事を書いた人

長崎で活動する
税理士、キャッシュフローコーチ

酒井寛志税理士事務所/税理士
㈱アンジェラス通り会計事務所/代表取締役

Gemini・ChatGPT・Claudeなど
×GoogleWorkspace×クラウド会計ソフトfreeeの活用法を研究する一方、
税務・資金繰り・マーケティングから
ガジェット・おすすめイベントまで、
税理士の視点で幅広く情報発信中

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