会社の数字は毎月見ているのに、自分の体の数字はまったく見ていなかった。
2026年5月28日、Google Fitbit Air というウェルネストラッカーを買いました。発売の2日後です。
つけて3ヶ月経ちました。
一番変わったのは、健康そのものよりも「自分のコンディションについて考えられるようになったこと」でした。
体が数字になり、その数字についてAIと話せる。
書いてしまえばそれだけのことなのですが、これが想像していた以上に画期的です。

画面のないトラッカーを、3ヶ月つけっぱなしにしています
「Google Fitbit Air」とは?
Google Fitbit Air は、2026年5月26日に発売されたウェルネストラッカーです。
価格は16,800円(税込)。
いちばんの特徴は、Apple Watchなどと違い、画面がないこと。
時計のように時刻を見ることも、通知を確認することもできません。
腕につけるのは、細長い本体とナイロンのバンドだけ。
できるのは測ること。見るのはスマートフォンのアプリ。
非常に軽量ですっきり割り切った設計になっており、体に何か特別なものをつけている感覚はありません。とても自然です。


画面がないことは、何ら困りません
時計や通知機能などの機能や画面はなく、実にシンプルな設計のGoogle Fitbit Air。
実に軽量で付け心地がとても自然。
リストバンドから本体を外すと、片面にGoogleのロゴ、もう片面に心拍数を測るセンサーがあるのみです。


つけていることを忘れる、というのが最大の性能かも
とても軽く、装着していることをほとんど意識しません。
バッテリーは公称で最大1週間もち、5分の充電で1日分をまかなえるとされています。
これは地味なようで、かなり大事なポイントです。
睡眠を測るには、寝ている間もつけている必要があるからです。
毎晩充電が必要なものであるとしたら、充電のためにわりかし頻繁に付けたり外したりしなければならず、付けることが続いていなかったかもしれません。
お風呂の間に少し充電し、あとはずっとつけたままです。
その程度の手間で、24時間分のデータが勝手に貯まっていくのです。
道具として続くかどうかは、機能の多さではなく、日常的な負荷の少なさで決まる。
そんなことを感じました。



体が数字になることで、客観視できる
実際、何が見えるようになったのか。
「なんとなく疲れている」が、数字に置き換わりました
これまで、自分の体調は感覚でしか把握していませんでした。
今日はなんとなく疲れている。昨日はよく眠れた気がする。
その程度です。
トラッカーをつけてからは、そこに数字が乗るようになりました。
睡眠の時間と質、安静時の心拍数、日中の活動量。
アプリには「エナジースコア(レディネス)」という指標も表示されます。
今日どれくらい動けそうかを、前日までのデータから数値にしたものです。
睡眠は、さらに細かく出ます。
何時に寝て何時に起きたかだけでなく、浅い眠り・深い眠り・レム睡眠がそれぞれ何分だったかまで分かれています。
しかも、同じ年齢・性別の人の一般的な範囲と並べて表示されるので、自分の数字がそこからどれくらい離れているのかも見えます。
「感覚」が「数字」になると、捉え方や認識が変わることに気付かされます。
感覚のままだと”なんとなく調子が悪い”で終わってしまうのが、数値になると比較ができるようになるのです。
先週と比べてどうか。
よく眠れた日と眠れなかった日で、翌日の数字はどう違うか。
そうやって並べていくと、体調をだんだん分析することができるようになってきました。



心拍数のグラフに、「プレッシャー」が映る
驚いたのは、心拍数のグラフ。
24時間ずっと測られるので、1日の波がそのまま線になって残ります。
その線を眺めていると、自分でも普段意識していなかったものが映ります。
緊張する場面の前後で、心拍数がはっきり上がる。
負荷の大きかった日は、夜になっても数字が下がりきらない。
身体的な疲れと、心理的な負荷。
自分では区別がついていなかったこの2つが、線の形の違いとして見えます。
”今日はしんどかった”ではなく、”今日はここで負荷がかかっていた”まで分かる。
この解像度の差は、思っていたよりも大きいものでした。

見えないものは、扱えない
ここまで書いていて、これは仕事で毎日やっていることと同じだな、と気付かされます。
会社の数字も、まったく同じ構造をしています。
「なんとなく資金繰りが厳しい」と感じている経営者の方は多いのですが、その感覚だけでは打ち手が出てきません。
どこにいくら残っていて、来月いくら出ていくのか。
利益がどこで生まれ、どこで消えているのか。
見えるようにして、はじめて捉えることができ、打ち手を考えることができます。
逆にいえば、見えていないものは、良くすることも悪くすることもできないということ。
自分の体についても、私はずっと同じ状態でした。
毎月、試算表を見ていても、自分自身のコンディションについてはなんの数字も持っていなかったということ。
数字を「相談できる」ことが非常に画期的
アプリの中のAIに、データを見ながら相談できます
Fitbitのアプリには、生成AIを使った相談の機能があります。
Gemini を使った「Google Health コーチ」というもので、蓄積されたデータをもとに答えを返してくれます。
これが決定的に違います。
一般論としての健康アドバイスではなく、私の数字を見たうえでの返事が来ます。
例えば、エナジースコアが低い日、なぜ低いのかを聞いてみます。
すると、前日の睡眠の内訳や心拍数の推移を引き合いに出しつつ、思い当たる理由を挙げてくれるのです。
ネットで「エナジースコア 低い 原因」と検索して出てくる記事とは、質が違います。
検索結果は誰にでも当てはまる話ですが、こちらは私にしか当てはまらない話なのです。
相談すると、言語化される
もうひとつ、思わぬ効果がありました。
相談する過程で、自分の状態が言葉になっていくのです。
数字だけを見ていても、「ふーん」で終わってしまうことが多くあります。
ところが、それについて質問を投げ、返事をもらい、また聞き返す。
生成AIとこのやりとりをしていると、ぼんやりしていた不調がだんだん輪郭を持ってきます。
疲れているのは、体なのか、頭なのか。
眠れないのは、時間が足りないのか、質が悪いのか。
自分ひとりで内省していても、なかなかここまでは整理できません。
数字という共通の材料があって、それについて言語化してくれる生成AIがいる。
この組合せが画期的な効果を発揮するのだと思います。
経営者の方と数字を挟んで話すときにも、まさに同じことが起きています。
「数字そのもの」ではなく、「数字について話す」ことに価値がある。
それを、今度は自分が受ける側で体験した感じでした。
相談した結果、変わったのは道具と習慣
障子の朝が明るすぎた→アイマスク導入
私の寝室は障子なので、朝になると部屋全体が明るくなり、まだ寝ていたい時間に目が覚めてしまうという悩みがありました。
かといって、遮光性のある障子に変える、障子を外してカーテンにするなどは大掛かりでなかなか着手できずにいました。
睡眠の相談をしていて、この話をしました。
返ってきた提案は、アイマスクを使ってみてはどうか、というものでした。
最初は抵抗はありましたが、試してみたらしっかりと眠れるようになりました。
早く目が覚めてしまうことが減り、睡眠時間そのものが伸びています。

深呼吸のやり方を教わった
寝つきについて相談したときには、深呼吸の具体的なやり方を教えてもらいました。
どういう間隔で吸って、どのくらい止めて、どう吐くか。
深呼吸がリラックスにいいことは知っているということと、深呼吸の具体的なやり方を相談できて、すぐに行動に移すことができるのでは格段の違いがあります。
小さな読書灯を導入した
私はもともと、寝る前に本を読む習慣がありました。
日常のあれこれを忘れることでリラックスでき、呼吸も整い、眠りやすくなるからです。
ところが、使っていた読書灯が大きく明るすぎて、隣で寝ている妻に迷惑をかけてしまっていたため、読書そのものをやめていました。
するとどうしても寝つきが悪くなり。
この経緯をGoogle Healthに相談したところ、条件に合う小さなサイズの読書灯を探してくれました。
手元だけを照らせるもので、これなら隣に光が届きません。
導入した結果、周囲にも迷惑をかけることがなくなり、寝る前読書を復活することができました。
読書灯を買っただけと言えばそれまでですが、経緯を追うと少し違って見えます。
睡眠の数字が悪いという入口から、原因をさかのぼり、生活のどこを変えれば戻せるかをAIと一緒に考えた結果として、道具にたどり着いています。
問題を数字で見つけ、対話で原因まで降り、具体的な行動に落とす。
やっていることの構造は、経営相談とほとんど同じだったのです。

健康についても聞くようになった
睡眠以外でも、気になったことは聞くようになりました。
例えば冷たい飲み物について。
体にどういう影響があるのかを具体的に教えてもらい、それ以来、できるだけ常温のものを選ぶようにしています。
こういった話、わざわざ人に聞くほどでもないと感じてしまうもの。
そのまま何十年も、知らないまま過ごしていた気がします。
聞くハードルが下がったというのが正しい表現かも。
買う前に知っておいたほうがいいこと
AIとの相談には、別のサブスクリプションが要る
本体を買えばAIコーチが使える、というわけではありません。
Google Health コーチを使うには「Google Health Premium」という定期購入が必要です。
ただ、これを単体で契約する以外の道もあります。
Google AI Pro や Google AI Ultra といったプランには、この Google Health Premium が含まれています(2026年8月現在)。
私の場合には、もともと Google AI Pro に加入しています。
そのため、この記事で書いてきた相談機能は、追加の費用なしで使えています。
生成AIをすでに有料で使っている方なら、同じ状態かもしれません。
逆に、そうでない方は本体価格とは別に費用がかかります。
購入時のキャンペーンで3ヶ月無料が付いていましたが、その先は有料です。
私がこの記事で書いてきた良さは、ほとんどがこの相談機能によるものです。
本体価格だけで判断すると期待とずれる可能性があるので、いま自分が何のプランに入っているかを確かめてから検討するのがよさそうです。
数字が増えると、気にしすぎることもある
つけはじめた頃、私は少し数字を見すぎていました。
スコアが低い日に、そんなはずないのに、、とストレスを感じたりしました。
いまは、1日単位ではなく、1週間など少し長いスパンで見るようにしています。
経営の数字も、単月の増減で一喜一憂しないほうがいいのと同じです。
数字は、自分を追い込むためではなく、判断の材料にするためのもの。
その距離感をつかむのに、少し時間がかかりました。
特に経営者にすすめたい
正直、買ってよかったと感じています。
画期性を身をもって知りました。
経営者や個人事業主の場合、体調が仕事に直結します。
自分が倒れたら止まる仕事を抱えている方であれば、なおさら。
それなのに、自分のコンディションはいちばん後回しになりがち。
私自身がそうでした。
会社の数字は毎月見ているのに、自分の数字は一度も見たことがなかった。
その状態から抜け出すきっかけとしては、3ヶ月使ってみて、十分に価値があったと思っています。
見える化して、それについて対話し、行動をひとつ変える。
仕事で経営者の方にお伝えしていることを、自分の体でやってみた3ヶ月でした。
