融資の際の金利はどのように決まっているか。
川北英貴著「銀行からの融資完全マニュアル」(すばる舎)を参考として。
目次
銀行にとっての”原価”
銀行にとって、融資による利息収入は売上にあたります。
この売値を決めるにあたっては、他の業種と同様、まずは原価(仕入)をベースに考えることになります。
銀行にとっての”原価”とは、以下になります。
- 資金を調達(仕入)する際の支払金利
→日本銀行からの借入、預金者からの預金、金融機関同士からの借入など - 銀行運営の経費
→銀行における人件費、家賃等 - 貸倒れとなった場合の経費
→万が一、回収不能となった場合の損失に対応するための積立
これらに、「銀行にとっての利益(目標利益)」が上乗せされることによって、融資先にどれくらいの金利で貸せばよいかの「基準金利」が決まってくることになります。
+”他の要素”
上記の「基準金利」に、さらに、融資先個別の以下の事情が加わることになります。
- 信用による格付
- 返済期間が長いか短いか(長いほど回収可能性の懸念から高くなる)
- 保全率(融資に対する担保の割合はどの程度か)
幅がある
さらに、国や地方自治体の制度で決められた融資を除き、「金利」は、銀行と融資先との交渉で決まる部分もあります。
銀行にとって貸したい会社であれば、上記の要素から決まる金利から下げることもあり得るということになります。
ということは、銀行にとって貸したい会社になることが、銀行からの金利を下げる一番の方法ということになります。