融資審査では、どのようなことが見られるのか。
川北英貴著「銀行からの融資完全マニュアル」(すばる舎)を参考として。
目次
融資審査のポイント
融資審査におけるポイントとして、以下のような点が挙げられます。
- 背景(事業内容、事業実態、役員個人など)
- 決算書(財務内容、業績)
- 資金使途
- 資料(商品・サービス概要など)
- 日常取引(利息以外の銀行取引)
- 経営計画(今後の業績見通し、経営改善計画)
財務状態というよりも、資金使途
財務状態がよくても、その「資金使途」が、社長個人の趣味のためのものであれば、まず融資審査は通らないと思われます。
財務状態が悪くても(債務超過、経常赤字など)、その「資金使途」が事業の維持・成長のために必要不可欠と考えられるものであれば、融資審査が通る可能性があります。
上記のとおり、「資金使途」は、あるいは財務状態以上に重要であるということになります。
「資金使途」をより具体的・詳細に説明でき、できれば書面・資料などでより明確に説明できれば、融資審査が通る可能性も非常に高まるということになります。
具体的に示す
「資金使途」を具体的に示すためには、借りるきっかけごとに、以下のような説明・書面・資料があるとよいと考えられます。
設備資金
機械等の購入のために資金が必要なのであれば、以下のような説明・書面・資料があるとよいと考えられます。
- 設備の見積書
- その設備の導入により、事業においてどのようなよい効果があるか
運転資金
増加運転資金(売上が増加していくことで資金が必要)
- その売上が増加していくことで、在庫・売掛金がどれほど増加することが見込まれるか
つなぎ資金(先に仕入・外注があり、後に売上回収となるため、資金が必要)
- 発注先との契約書・発注書
- 先行して支払う仕入・外注費の支払予定リスト
- 発注先からの入金予定額
季節資金(閑散期における繁忙期準備のために資金が必要)
- 閑散期の仕入計画・繁忙期の販売計画
- 過去2~3年の実績値
賞与資金・納税資金
- 賞与の支払予定表
- 納税の概算金額
資金が不足する時期の穴埋めのための資金
- 資金繰り予定表
- 資金不足となる時期・金額を明確に示す
より多く保有し、安全な資金繰りとするための資金
- 資金繰り予定表
- 経営の安全性を高めるために、預金を豊富に持っておきたいと伝える