自社の経営数字の状態・理由・改善策を整理しておく①

銀行から自社の経営数字に関して聞かれたとき、理由・改善策を答えられるようにしておきたいところです。

川北英貴著「銀行からの融資完全マニュアル」(すばる舎)を参考として。

目次

状態が良くなければこそ

決算書などの資料を見たときに、その状態が良くなければ、銀行としては、貸しても確実に返済してもらえるかどうか不安になりますし、経営者がその理由をどのように整理していて、どのような対策を取ろうとしているのか聞きたくなるものです。

良い状態であれば銀行は聞く動機も少なく、良くないからこそ聞きたくなります。

えてして会社が融資でもって資金を必要とするときは、良くない状態であることも多く、経営者としては、その理由・改善策について把握しておく必要があります。

分からないとは言えない

銀行から聞かれたときに、”分からない”とは言えません。

悪いときであればなおのこと、銀行も不安を起点に聞いてくる部分があり、”分からない”という返答は、より銀行を不安にさせてしまいます。

どのようなことが聞かれるか(損益計算書)

銀行から、具体的にどのようなことが聞かれるかについて、川北英貴著「銀行からの融資完全マニュアル」(すばる舎)は参考になります。

特に、損益計算書については、前期比で経営数字が悪化している場合には聞かれる可能性も高く、そのポイントも多いと考えておきたいところです。

売上

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売上が下がっている理由は何か?
STEP
悪い回答例
  • 景気が悪いから
  • 業界が衰退しているから

総じて、他責の回答はよくない印象を与えるといえます。

STEP
回答の視点
  • 部門別・店舗別・取引先別・商品別に分けて、数年並べて、原因と対策を具体的に説明する

売上原価・売上総利益

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原価率・粗利率が下がっている理由は何か?
STEP
悪い回答例
  • 景気が悪いから
  • 材料費が上がったが特に対策はない
  • 材料を仕入れすぎた

仕入れすぎたという回答については、棚卸を適切に行っていないと言ってしまっていることになります。
また、原価に金額がかかりすぎたにしても、材料の高騰なのか、売上に値引きせざるを得なかったかなどの説明がないと伝わらないことになります。

STEP
回答の視点
  • 粗利率・粗利額それぞれの状況を説明し、原因・対策を説明する
  • 原価が上がった具体的な理由、販売価格を下げざるを得なかった理由を説明する
  • 特定の材料費について値上がりしたため、仕入先を分散するなどしていきたい。

販売費及び一般管理費

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人件費が上がっている理由は何か?
交際費が多い理由は何か?
赤字なのに役員報酬を下げないのか?
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悪い回答例
  • 人が足りないと言われたのでただ人を入れた
  • 自分ではそう思わない
  • 生活費として必要だから
STEP
回答の視点
  • 今後の(具体的な)売上増加を見込み、投資の意味合いで人を入れた
  • これまで無計画に経費を使ってしまっていたので、今後は○円に抑える
  • 経営責任を感じているため、生活費を見直す

営業利益

STEP
営業利益が下がった理由は何か?
STEP
悪い回答例
  • 景気が悪いから
STEP
回答の視点
  • 具体的な原因を答え、今後の具体的な対策を答える

営業外収益・営業外費用

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借入金に対して支払利息が多くなっているのはなぜか?
STEP
悪い回答例
  • よく分からない
STEP
回答の視点
  • 急な支払いで資金が必要でノンバンク等から借り、自社の資金繰り管理に問題があると認識しているため、銀行からの協力を仰ぎながら具体的に資金繰り管理体制を整えていく。

経常利益

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経常利益が下がった理由は何か?
STEP
悪い回答例
  • 売上が下がっているので仕方ない
STEP
回答の視点
  • 認識している具体的な原因を説明し、経営改善計画を作成して相談すると伝える

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