”事業性評価”に沿ってアピールする

銀行に融資申請する際は、「事業性評価」のポイントに沿ってアピール材料を整えるとよさそうです。

川北英貴著「銀行からの融資完全マニュアル」(すばる舎)を参考として。

目次

「事業性評価」とは

「事業性評価」とは、2014年に金融庁によって公表された方針です。

決算書・担保よりも、会社の事業そのものやその強み・成長可能性を見て融資審査をしていこうという流れのなかで生まれてきたものです。

「事業性評価」のポイント

「事業性評価」にあたっては、金融庁方針に基づくポイントがあるとされています。

融資申請にあたっては、それに沿ってアピールしていくことで、銀行側の審査において少しでもプラスとなる材料を与えることができると思われます。

川北英貴著「銀行からの融資完全マニュアル」(すばる舎)を参考としてその要旨を見てみると以下のような感じです。

経営理念・経営全般

  • 経営理念・ビジョン・ミッション
  • 経営方針
  • 経営戦略
  • 業種・事業内容
  • 沿革、創業のきっかけ
  • 社名の由来
  • 株主名(代表者・会社との関係性)、持ち株比率
  • 経営上の課題
  • 業績が厳しい場合は、その要因
  • 会社の将来性、成長方針

経営者

  • 経歴
  • 年齢
  • 入社時期、社内経歴
  • 代表就任時期、経緯(前代表との関係性)
  • 得意分野、経験
  • 後継者の有無(関係性)、後継者の年齢・育成方針・承継予定時期
  • 創業者であれば、創業のきっかけ
  • 業界団体との関係(加盟の有無、役員就任の有無)

組織・役員・従業員

  • 各役員の氏名、担当業務、代表との関係性
  • 従業員数(うちパート数)
  • 組織図(各部門の役割、部門のリーダー、部門ごとの規模)
  • 支店、営業所、工場、店舗、関係会社の所在地
  • 従業員の平均勤続年数、定着率および理由
  • 平均給与、給与体系
  • 従業員の評価方法
  • 従業員の教育体制・育成方針
  • 人材の強み・弱み
  • 社会会議の種類、参加者、実施状況
  • 従業員間、役員従業員間、部門間のコミュニケーション状況

商品・製品・サービス

  • ラインナップ、内容、パンフレット
  • ラインナップ拡充への方向性
  • 開発計画、開発体制、進捗状況
  • 開発力での強み・弱み
  • お客様からのニーズ把握方法
  • 商品のウリ
  • ブランド力
  • 知的財産権の保有・活用
  • 価格帯、価格設定とその方針
  • 商品の販売方法
  • 商品グループごとの売上推移、粗利推移と今後の見通し

取引先

  • 販売先ごとの売上推移、粗利推移およびその見通し
  • 販売先ごとの入金サイト
  • 販売先はなぜ当社を選んでくれているか
  • 販売先拡大の方向性
  • 仕入先ごとの仕入推移およびその見通し
  • 仕入先ごとの支払サイト
  • 仕入先としてなぜそこを選んでいるか
  • 仕入先との価格交渉方針、状況、相見積りの有無
  • 外注先ごとの外注金額推移およびその見通し
  • 外注先ごとの支払サイト
  • 外注先のとしてなぜそこを選んでいるか
  • 外注先を選んでいる理由(内製していない理由)

販売

  • 強み・弱み
  • 営業活動の方法
  • 見積金額の決定・決裁の方法
  • 広告宣伝の方法、金額・予算、費用対効果
  • 営業社員の成果の評価方法、教育方法
  • 接客サービスの教育方法
  • 地域密着度合い
  • 在庫管理の方法
  • クレーム対応方法

製造

  • 技術力での強み・弱み
  • 生産管理の方法
  • 材料管理の方法
  • 工場・機械の稼働状況
  • 5S
  • 工場の人員構成、今後の増員予定
  • 課題と改善方針
  • 不良発生、納期遅れなどの状況、改善方針
  • 製造コストの削減状況、改善方針

外部環境

  • 市場の規模、動向、成長性
  • 市場に対する自社の見方・捉え方
  • 新技術の見通し、影響
  • 業界のトピック
  • 業界における自社のシェア
  • 競合他社、動向、新規参入状況
  • 競合に対する自社の強み・弱み
  • 景気・政治・法律・規制の動向、影響

経理・財務

  • 試算表作成の体制
  • 資金繰り管理方法、予測
  • 事業計画の有無、共有状況
  • 借入金一覧

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