資金繰りが厳しくなってきて、銀行借入の返済負担が重くなってきた場合、どのようなことを検討すればよいか。
川北英貴著「銀行からの融資完全マニュアル」(すばる舎)を参考として。
返済負担が重い場合に検討したいこと
資金繰りが厳しくなってくると、銀行借入の返済負担が重くなってきます。
そういった場合ほど、歩みを止めずにいたいものです。
何も手を打たないでいて自然と状況が好転するということは、なかなかありません。
動かなければいけない方向性のベクトルは複数考えられますが、銀行対応という点で検討できることはあるかどうか。
具体的に考えられるアクションの選択肢として、例えば、以下のようなものが考えられます。
- 追加融資
- 融資一本化
- リスケジュール
リスケした場合の懸念
リスケジュール(リスケ)することは、会社にとっても銀行にとっても大きな出来事といえるのですが、実行する場合に懸念されることがあります。
- 銀行融資を受けられるか
- 会社の信用問題が外部に広まるか
- 手形割引がこれまでどおりできるか
- 輸入取引がこれまでどおりできるか
懸念③手形割引がこれまでどおりできるか
銀行にとっては、手形割引も融資手段のひとつとされています。
手形割引は銀行でしてもらうものですが、自社がリスケするにあたって、その手形割引がこれまでのようにできなくなるのではないか、という懸念が考えられます。
これは、銀行ごとの判断によるとされています。
そのため、リスケの話し合いの際、あるいは、経営改善計画書のなかで、手形割引はこれまでどおりしてもらえるかどうかの確認をしておいたほうがよいものと思われます。
手形割引そのものは認めても、条件厳格化(手形割引の限度額(極度額)の引下げ、限度額方式ではなく都度審査に切り替え、手形銘柄を厳選、割引料の引上げ)で対応してくるところもあるといわれているため留意が必要です。
懸念④輸入取引がこれまでどおりできるか
輸入取引を行っている会社は、銀行からLC(信用状)を発行してもらっていることがあります。
銀行からすると、LC(信用状)発行は、その会社が代金を支払わなければ損失を被ることになっています。
自社がリスケするにあたって、そのLC(信用状)発行がこれまでのようにできなくなるのではないか、という懸念が考えられます。
これも、銀行ごとの判断によるとされています。
そのため、リスケの話し合いの際、あるいは、経営改善計画書のなかで、手形割引はこれまでどおりしてもらえるかどうかの確認をしておいたほうがよいものと思われます。