相手に質問し、考えてもらうときに、捉え方の俯瞰の度合いで、展開が異なってきます。
伊藤守「図解コーチングマネジメント」(ディスカヴァー・トゥエンティワン)を参考として。
大きく聞くか、小さく聞くか
考える単位によって、抽象度によって、大小があります。
例えば、書類を読んでもらって感想を聞きたいとき、
ざっくりと「どうだった?」という質問の仕方もありえます。
また、「意図は伝わった?」「文字の大きさは適切だった?」という質問の仕方もありえます。
物事をざっくりと大きく質問する場合、より小さく具体的に質問する場合、があります。
大きな質問、小さな質問、それぞれの特徴
小さな質問、すなわち、対象をより具体的に細かく分解して質問する場合は、細かく分解して具体化していけばいくほど、分かりやすいものとなり、行動に結びつきやすくなります。
例えば、「文字の大きさは適切だったか?」と質問し、「もう少し~した方がよいのでは」という応答であれば、何をどうすればよいか明確です。また、答える側も答えやすいです。
いつ何をどうすればよいのか、というレベルまで落とし込むことができれば、具体的に行動を起こしやすいものです。
一方、大きな質問、すなわち、対象をより抽象的に大きく質問する場合、より自由に発想することができます。
例えば、「どうだった?」と質問されると、答える側は、より自由に発想することができます。
思いついたことをそのまま言えばよいのですし、現状の具体的な行動や状況になんらとらわれる必要がありません。
それぞれ、特徴があり、良し悪しがあります。
どうすれば相手の役に立てるか、を起点にする
相手の話を聞き、それに対して質問をしつつ、相手のお役に立つということを起点にすると、
おのずと、どのような”大きさ”で話をすればよいのか、という視点・着眼点を持つことができます。
まずは何をどうしていいのかまったく分からないような場合は、まずは細かい点を無視し、大きく自由に発想してもらう方がよいかと思います。
一方、大きな部分が固まっているのであれば、より小さく具体的に、できれば5W1Hのレベルまで落とし込んでいくように進んでいければ、すぐに取組み可能な行動レベルまで落とし込むことができ、今日明日からの改善に結びつけることができます。
その捉え方のレベルを見誤ると、相手も自身の心底からの思考から繋がらない結果となってしまい、結果苦しくなってしまうものです。
話の抽象度のレベルについては、常に意識をしていきたいものです。