ゴールへ向かって進んでいくためには、自分自身のスタート(現状)をできるだけ明確に把握しておかないと、方向性を間違えてしまいます。
コーチ・エィ「コーチングの基本」(日本実業出版社)を読んで、また、キャッシュフローコーチとして考えたことを参考として。
現状を見誤ると、行動も誤ってしまう
自分や自分を取り巻く環境を、最初から客観的に捉えることができればよいのですが、自分や自分の取り巻く環境を自分自身で捉える限りにおいては、どうしても主観的になってしまいます。
たとえ“自分が達成したいと思える目標”を設定したとしても、その“現状”を見誤ってしまうと、そもそもの問題の所在を見誤ってしまうことにもなりかねません。
結果、その後のアプローチを間違ってしまい、目標を捉えきれないどころか、まったく予期していない結果になることもありえます。
ここに、可能な限り他者の目を入れて、できるだけ客観的に、「現状」を明確化できるようにしていきたいものです。
現状把握は、シンプルなようで繊細
現状の把握は、未来とは違って真っ白ではないので、すでにある様々な要素から見ることができますし、一見シンプルに思えます。
しかし、実際のところ、同じものであっても、人によって見方も捉え方も考え方も異なります。
自分の捉え方は正しくもあるのでしょうが、一方で、周囲と齟齬があることも往々にしてあります。
しかし、自分の“捉え方”は、自分の人生における選択の実績(成功体験)の積み重ねからであるものなので、自分自身では、捉え方に齟齬が生まれるということにそもそも気づくことができません。
また、主観的であるがゆえに、無意識のうちに、自分にとって「思い通りに行かない現実」「突かれると痛い課題」「不都合なこと」を避けてしまいます。
これらと向き合うことはとても難しいことです。無意識に自己防衛本能が働き、理性よりも感情が優先してしまうこともあるからです。
どのように「気づき」をサポートできるか
たとえ繊細に扱っていったとしても、現状を把握する過程で、(特に向き合いたくない部分と向き合うときには)理性よりも感情が優先してしまいます。そのとき、他者にできることは、ただ聞くことしかできないのかもしれません。
まずはいったん“感情”を全部吐き出してもらい、その後に、少しずつ、理性的に、現状を具体的に客観視していくサポートをしていくのがよさそうです。
- 「何」を感じたか?
- 「なぜ」そう思ったか?
- 「どうしたい」と思っているか?