業務全体を、重要性と緊急性で分け、それぞれの領域ごとに基本方針を決めていくと、全体が改善されていくイメージを持つことができます。
伊藤守「図解コーチングマネジメント」(ディスカヴァー・トゥエンティワン)を参考として。
4つの領域
業務は、「重要性」と「緊急性」とで、4つの領域に分けることができます。
「緊急」かつ「重要」なこと
例えば、期日の迫った仕事や、重要な人からの急な問合せなどは、”早急にやらざるを得ないこと”です。
「緊急」だが「重要ではない」こと
例えば、漫然と行われている定例の会議、重要でないメールへの返信、突然の来客など、
緊急性があることから、対処に迫られ、「緊急ではないが重要なこと」よりも優先されてしまうことになります。
こちらに時間が割かれていくと、重要な事項が後回しになっていきます。
「緊急ではない」が「重要」なこと
例えば、経営の現状把握・計画・財務改善、社内のモチベーション向上、情報収集などは、重要ですが、緊急性がないゆえに放置されがちなものです。
そのうち緊急性が増してきてはじめて「緊急かつ重要」な領域に移動し、対処されることになります。
事項によっては、もともと重要であったがゆえ、放置されるうちに手遅れになる場合もあり、この領域に定期的に目を向けて対処するようにすることは、リスクマネジメントの観点からも重要です。
「緊急でもない」かつ「重要ではない」こと
例えば、待ち時間やネットサーフィンなど、緊急でもなく重要でもない領域もありえます。
一般的には、考えてなくしていくに越したことがない領域の事項です。
しかし、どうしてもその領域が増えてしまっているとしたら、何が原因なのかを考えてみる必要がありそうです。
それぞれへどのように対処すべきか(基本方針を持つ)
「緊急」かつ「重要」なことへの基本方針
この領域が多いと、忙殺され、追われてしまいがちになります。
事柄を整理し、効率よく処理する方法がないか考える必要があります。
「緊急」だが「重要ではない」ことへの基本方針
この領域が多いと、重要なことが後回しにされていきます。
事柄を整理し、効率よく処理する方法がないか考える必要があります。
「緊急ではない」が「重要」なことへの基本方針
この領域は、緊急性がないために放置されがちですが、重要な領域です。
戦略的に目標を考えて設定し、計画的に行動を起こしていく方法を考えるのに最適な分野であり、ぜひ積極的に手を打っていきたいところです。
「緊急でもない」かつ「重要ではない」ことへの基本方針
ないにこしたことがないにもかかわらず、なくならない場合は、何らかの根本的な原因がある可能性もあります。
未完了事項を完了させる(不必要なことを整理していき「やめる」ための努力)方法を考える必要があります。
コーチングの基本姿勢をまとめてみる
改めて、伊藤守「図解コーチングマネジメント」(ディスカヴァー・トゥエンティワン)を参考にしながら、コーチングの基本姿勢の例をまとめてみました。
- プロセスから関わる(結果だけで評価しない)
- 相手が自発的に動けるようなサポートを行う
- 相手が安心・安全にアイデアを出し、行動していけるようサポートする
- 相手の「弱点」ではなく、「強み」に焦点をあてる
- 相手の「失敗」ではなく、「成長・努力」に焦点をあてる
- それぞれのやり方や強味を認める
- 自分のやり方を押し付けず、相手が自分で問題解決できるようにサポートする
- 相手の話の「真意」に目を向ける
- 多様なライフワークバランスの価値観を認め、多様な「健全な生き方」に目を向ける
- 問題解決のサポートに協力的でいるようにする