業務効率化を図るために、「クラウド化」は非常に有効です。
しかし、「クラウド化」は魔法の杖ではなく、闇雲にクラウドツール(SaaS)を導入しても効果は非常に限定的なのです。
この「クラウド化」の方法論として、ワンクリックオペレーションがあります。
※本ブログ中の図は、ワンクリックオペレーションの考案者である廣升健生先生の図を許可を得て加筆訂正して使用しています。
「ワンクリックオペレーション」を導入することで得られる成果
ワンクリックオペレーションを導入することにより、各業務の時間を短縮することができます。
時間の短縮をすることができれば、より多くの業務・必要な他の業務をこなすことができ、時間単価を上げることができます。
また、人口減少に伴う人材不足、働き方改革への対応としても、取り組まなければいけない経営課題です。
「ワンクリックオペレーション」とは何か?
ワンクリックオペレーションとは、廣升健生先生の考案したクラウド化のモデルです。
一言でいえば、クラウドツール(SaaS)を用いた「情報伝達ルールの統一」です。
情報伝達ルールを徹底して効率化することにより、時間の短縮が可能となり、結果として、業務効率化が可能となるのです。
業務効率化を考える
業務の効率化を図るには、現在、当たり前に行っている業務を一から見直す必要があります。
例えば、「会社に集まること」が当たり前となっていることから、会社に集まることが前提の解決策を探すこととなります。
しかし、業務効率化を考えるときには、現在当たり前となっているこのような前提からひとつひとつ覆していかなければ、効率化の筋道をつけることができません。
つまり、発送を逆転する必要があるのです。
これまで、「持つ」としていた価値観を、「持たない」という価値観に転換する。
これまで、「行く」としていた価値観を、「行かない」という価値観に転換する。
これまで、「やる」としていた価値観を、「やらない」という価値観に転換する。
例えば、これまでデータを会社のパソコンそのものに持たせなければならないと考えていたものを、「持たせないとしたら?」に転換する。
例えば、これまでなんとなくこれまでの習慣で月2回行かなければいけないと考えていたものを、「行かないとしたら?」に転換する。
例えば、これまでなんとなくやらなければいけないと考えていたものを、「やらないとしたら?」に転換する。
そういった発想の転換が必要になってきます。
さらにこれを踏まえて、具体的に考えてみます。
これまでのフォルダの整理法、紙資料の整理法、ファイルの名称ルール、予実管理の方法、業務分担の方法などなど。
これらでこれまで当たり前となっているやり方を、発想を転換して、もう一度見直していくのです。
業務非効率の正体
こうして、現在の業務を見直した場合、すべてにおいていえることとして、情報伝達の非効率が挙げられます。
情報伝達は、すべての業務に共通して発生していることです。
例えば、コミュニケーション方法が統一されていないがために、複数の人で情報を共有するために、膨大な時間と手間がかかってはいないでしょうか?
口頭、電話、FAX、メール、LINE、Facebook Messenger、Chatwork。
データも、FAXでの紙添付、メールなどでのPDF添付、エクセルやワード添付、画像添付など、バラバラであったりしないでしょうか?
このような状態で、リモートワークをしようとすると、どうなるでしょうか?
管理や取りまとめが非常に煩雑になることは想像に難くありません。
ワンクリックオペレーションを導入すると
ワンクリックオペレーションを導入すると、以下のような図になります。
クラウドのオンラインストレージであるGoogleDriveに、すべてのデータを入れます。
このGoogleDriveのなかのフォルダやファイルは、リンクを設定することができます。
リンクを設定することができるということは、そのリンクをワンクリックするだけで、編集や閲覧の権限を与えられた人は誰でも、いつでも、どこでも、そのデータを見ることができます。
さらにコミュニケーション方法も、Chatworkなどのクラウドツールを使えば、常に関係者みんなで、同じ情報を共有することができます。
ワンクリックオペレーションの基本は、以上のようなものです。
時間単価を上げるための4つのステップ
ワンクリックオペレーションを導入するための基本的なクラウドツールは、GooleDriveとChatworkの2つのみで、実にシンプルです。
しかし、他のクラウドルールもそうですが、魔法の杖ではありません。
現在の業務を一から見直す思考をもって、運用していき、業務フローを改善していきます。
フロー改善といっても、ワンクリックオペレーションの仕組みのなかでは、苦痛を伴って習慣を変えていく、といったストイックなことになることはほぼありません。
単に自然と、便利な方に流れていくからです。
便利な方に流れていった結果、自然と改善していくことが多いのです。
見直すポイントとして、手をつけやすいところから順序立てるとしたら、以下のようなステップになるでしょう。
資料を探す→フォルダ階層を手繰る必要はありません。データ検索するようにしましょう。
プリントアウト→紙が必要な場面や理由を考え直し、紙が必要な場合は必要と感じた人がプリントアウトすれば事足りることも多いものです。
資料を整理する→資料の探し方が検索機能になってくると、自然と名前のつけ方に工夫するでしょう。
「いつでも」「どこでも」確認できるのであれば、外出先や自宅でも仕事できる余地が生まれます。
会社に必ずしも移動する必要がありません。
取引先とも方法を共有することができれば、あるいは無駄に多く訪問していた1回を省くことができる場合もありえます。
分業の幅、”会社に来る人”という範囲でよくなります。
全国、あるいは全世界という単位で分業の範囲を考えることができます。
管理方法も、みんなが自然と所定の場所に保管するのであれば、手間は非常に少なくなります。
STEP3までやると、かなり時間の短縮を図ることができます。
より付加価値の高い業務を見据え、リソースを割くことができるようになります。