「共感する」を、「同感」や「同情」とは異なることから理解していくと分かりやすそうです。
古宮昇著「はじめての傾聴術」(ナツメ社)を参考として。
目次
「共感」の定義
心理学者カール・ロジャーズによると、”共感的理解”を以下のように解説しているとのことです。
「クライエントの私的な世界を、あたかも自分自身のものであるかのように感じ取り、しかもこの”あたかも~のように”という感覚を失わないこと」
つまり、自分と相手との境界線を見失うことなく(相手と完全に同視することなく)、相手の世界を、あたかも自分自身のことであるかのように感じること、ということになります。
上記であれば、自分と異なる価値観の人に対しても、相手の心情を理解しながら寄り添うことができるものです。
「共感」と「同感」の違い
「同感」は、同じ価値観の人にのみ生じるもので、異なる価値観で見ることができないものといわれています。
同じ価値観の人と完全一致しながら進んでいくものであるため、相手の話を聞いているうちに、相手の感情に飲み込まれてしまうところがあります。
「共感」と「同情」の違い
「同情」は、一方通行といわれています。
相手は自分よりも弱い存在であるということがどこかしら前提にあるため、前提の段階から、同じ人間として尊重しながら理解していくという部分でのズレが生じてしまいます。