「巧言令色少し仁」という言葉あります。
論語の言葉で、「言葉が巧みであったり、人に媚びを売ったりする人間は、仁徳が足りない。」というものです。
東山紘久著「プロカウンセラーの聞く技術」(創元社) を読んで実践して以来15年、学んだこと。
たくさんの言葉よりも、事実・現実を見てもらいさえすれば分かる
饒舌な言葉ほど、あまり信じられないと言います。
どうしてだろうと考えると、現実・事実が言葉より劣っているから、に尽きると思います。
現実・事実が、もともと他人から注目されるような価値のあるものであれば、強調しなくとも自然に広まっていくものです。
口コミ、SNSなどもそうだと思います。
結果として、よいものはそのような形で広まっていった、という過程なのであって、口コミやSNSを、時間をかけて一生懸命作り上げても、中身が伴わなければ徒労に終わるという話はよく聞く話です。
過去や未来は誰にも分からない。囚われない。
未来は誰にも分かりません。過去は変わりません。
しかし、よくそれに囚われて現実が見えなくなってしまうこと、あります。
そんなときは、まずは、今の現実・事実をひとつひとつ見てもらうべく、話を聞くのがよいと思います。
あるいは、聞いてもらうのがよいと思います。
自身で現実・事実を見ることができれば、向き合える
自身の体調、今現在の感情など、今の現実の何気ないことを言語化し、意識してもらうのがよいですね。
特に雄弁に現実・事実が曖昧になるような未来や過去を答える必要はないですし、語る必要もなくて、今現在、何をしていて何をすべきなのかを、話すことによって整理してもらえる体制を作ることができれば、ご本人は、自身の力で、現実・事実を見ることができ、そこから未来や過去に向き合えるようになると思います。
言語は一部で、物事の大部分は非言語のなかにある。
これは割とみんな本能的に理解していることではないかな、と思います。
自分の言葉でないものにはあまり惑わされずに。
自分でごく近くにあるなんでもないことから言語化していくと、頭も整理されて、全体の事実が自然と見えてくるように思います。