そもそも銀行に何と言って融資申請すればよいか、真剣に考えれば考えるほど意外と分からなくなるものなので、確認しておきたいところです。
松波竜太編著・監修、資金調達相談士協会著「中小企業の財務改善ノウハウ」(第一法規)を参考にして。
何と言って借りればよいかが分からない
どんなときに銀行融資を活用すれば銀行とよい関係を作っていけるのかということを知っておくことで、手元資金に困ることなく事業を継続していくことができます。
銀行との関わり方として、そもそも”何と言って借りればよいか”が分からないということがあります。
一方で、銀行は「資金使途(何に使うお金なのか)」を重視するため、借入理由にごまかしが入ったりしていると、信頼関係を作ることができません。
手元資金に困ってから銀行に相談してみようなどと思いがちですが、実際には、貸す側の心情として、手元資金に困っている人に貸すのは不安なものです。
では、具体的に、どのようなときに、何と言って借りるとよいのか。
融資の種類
融資の種類には、主に以下の2種類があります。
- 設備資金:売上確保を目指すための設備を購入するための資金
- 運転資金:仕入・人件費・経費など経常的な費用をやりくりするための資金
何と言って借りればよいか
まず、設備資金に関しては、「導入したい設備がある」として、導入する設備の見積書と、その設備がもたらす売上などによるプラスの影響などを説明することになります。
運転資金に関しては、「手元資金を厚くしておきたい」がよいと考えられます。
また、売上が増加傾向にあるときには、「手元資金を減らしたくないので”増加運転資金”として借りておきたい」と相談するのがよいと考えられます。
売上が増加すると手元資金は増えそうに思いますが、実際にはそうではなく、売上が伸びていく過程でが、①売掛金が増える、②仕入・人件費・経費が増える、③在庫が増える、などの要素・傾向から、実際にはなかなか手元資金は一気には増えず、逆に足りなくなる場合が多いものです。
このような傾向は、銀行も”増加運転資金”として把握しているもので、”手元資金を減らしたくないので”増加運転資金”として借りておきたい”という相談もすんなり受け入れられるものです。
逆に、手元資金がかなり少ないので借入をしたい、借入を返すために借入をしたい、投機して損したから借入したい、赤字だから借入したい、というアプローチは、銀行にとっては消極的な反応しかすることができません。
融資申請を考えるタイミングを逃さない
”何と言って借りればよいか”を知っておくことで、「銀行にいつ相談すべきか」のタイミングを把握しておくことができます。
そのタイミングを把握しておくことで、銀行の積極的な反応を引き出しながら良好な関係を築くことができ、事業の健全な発展・継続をしていくことができます。