業績低迷期は、銀行との関係性において、どのような点に留意すべきか。
松波竜太編著・監修、資金調達相談士協会著「中小企業の財務改善ノウハウ」(第一法規)を参考にして。
目次
決算前に動く
当期決算が赤字になりそうであれば、その赤字が確定する前に融資申請に動きたいところです。
借入目安額としては、「1年以内返済予定長期借入金ー営業キャッシュフロー」を基準とし、可能であればその3年分といわれています。
リスケ交渉前に新規融資の努力をしておく
決算書の内容が悪い場合、銀行より「要注意先」「消極方針先」などと格下げされてしまうと、新規融資の獲得が難しくなってしまいます。
こうなってくるとリスケ(リスケジュール=返済条件変更)の交渉を銀行としたくなりがちですが、反面、リスケに突入すると、さらに新規融資は難しくなります。
そのため、リスケ交渉の前に、できるだけなんとか新規融資を試みたいところです。
その後に、それでもどうしても難しい場合は、銀行にリスケ交渉を行うことになります。
その際には、改善方針を明確にし、銀行に”リスケジュールという形でなら支援できます”という言葉を引き出して行うのが手順と考えられます。
もしも、飛び込み営業などで新規融資の話がきたら、それをきっかけとして、既存銀行に同調融資を促すことができる場合もあります。