会社が生き残っていくための2つの条件

会社が生き残っていくための条件とは。

松波竜太編著・監修、資金調達相談士協会著「中小企業の財務改善ノウハウ」(第一法規)を参考にして。

目次

会社が生き残っていくための2つの条件

会社が生き残っているためには、以下の2つの条件が必要と考えられています。

  • 資金を切らさないこと
  • 利益を出し続けること

お金さえ回っていけば、会社は生き残っていくことができます。

そして、そのお金は、「利益」から生まれます。

ただ、利益を増やすために売上を伸ばそうとすると、紐付きで売掛金・仕入・人件費・在庫なども伸びていくため、一気にはお金は増えず、むしろ先行投資のために資金不足にすらなります。

お金という側面からは、利益は、銀行からの資金調達をしやすくするために必要と考えても差し支えないと考えられます。

融資はいわば利益の先取り・前借りのような性質であり、増加売上から分割で返していければよく、その返済能力を示すためにも利益が必要、と見ることもできます。

外部要件を受けやすい経営数字、受けにくい経営数字

売上や経費など、会社には様々な経営数字があります。

このうち、「売上」は基本的に自社の努力によって伸ばしていくべきものですが、一方で、景気動向など外部要因の影響を多分に受けやすい経営数字であるといえます。

逆に、「経費」などは、自社の方針によって決められる要素が多いものです。

利益を出し続ける

上記を踏まえて、「利益を出し続ける」ためにできることは何か。

「自社でコントロールしづらい売上の動向を見ながら、経費をコントロールしていくこと」であると思われます。

つまり、費用を前倒しにする経営判断・後ろ倒しにする経営判断はしやすいため、その判断を行っていくこと、です。

例えば、以下のような判断は比較的しやすいものです。

  • 30万円未満の少額減価償却資産をいつ購入するか
  • 特別償却をすべきか、しないべきか
  • 定期的な修繕を前倒しで実施する・後ろ倒しで実施する
  • 消耗品・備品の買替えを前倒しで実施する・後ろ倒しで実施する
  • 先行投資をする
  • 不良在庫・不動産を売却する

利益と税金

利益が出れば、比例して、法人税・所得税も増加します。

ただ、これはあくまで利益の約30%であって、残り約70%は手元に残ります。

利益が出ることで銀行から資金調達を受けることができ余裕をもった手元資金のなかで余裕をもった(=選択肢の多い)経営判断をすることができると考えると、法人税・所得税はある意味では、金融費用(利息)のようなものと考えることができると考えられます。

良質な経営判断ができるのは、経営数字が確実であればこそ

会社を”よい状態・よい循環・よい経営判断ができる環境”に持っていくには、経営数字の精度が高ければこそ

思い切った判断をするには”根拠”が必要です。根拠のない思い切った判断は博打だからです。

その”根拠”は精度の高い経営数字の集計状況であり、その根拠をもとに、精度の高い利益の見込みを立てることができ、費用や先行投資などに関する思い切った経営判断をしていくことが可能になります。



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