銀行との付き合い方を誰かに習うこともありませんし、知っておきたいところです。
松波竜太編著・監修、資金調達相談士協会著「中小企業の財務改善ノウハウ」(第一法規)を参考にして。
自社に合っている銀行とはどこか
自社に合っている銀行とは、「進んで融資をしてくれる銀行」ということになります。
自社を評価していない銀行であれば、そもそも融資に消極的であるため、”合っているかどうか”を知ることができます。
自社に合っている支店はどこか
自分に合っている銀行(=進んで融資をしてくれる銀行)を選ぶにあたっては、自社に合っている銀行支店かどうかについても考えてみる必要があります。
自社が求める融資額とその支店の規模とのミスマッチがある場合、以下のようなことが起こりがちです。
- 大きな会社が小さな支店に融資申請しても、すぐにその支店の決裁枠を超え、審査に時間がかかってしまう
- 小さな会社が大きな支店と取引してしまい、相手にされない
- 個人中心の支店に会社が取引を持ってしまい、営業担当者の小回りが利かない
基本的な考え方として、「大きな支店には大きな決裁枠、小さな支店には小さな決裁枠が設定されている」ということが挙げられます。
支店の決裁枠を超える場合、本店決裁となり、堅めの判断になってしまったり時間がかかってしまったりします。
よって、融資をスムーズに進めようと考えると、「支店長決裁内で済む金額かどうか」が大事ということになります。
決裁枠は、信金で500~1,000万円ほど、地銀の一般的な支店で5,000万円ほど、中核支店で1~2億円ほどといわれています。
また、決裁ルートは、「渉外担当→融資課→副支店長・支店長」となっています。
役職の高い職員のほうが融資を通す能力も上がりますが、かといって、個人的な繋がりなどから渉外担当の頭越しに交渉しようとするとその渉外担当の気分を害する可能性があることにも注意したいところです。
保証協会付き融資や不動産担保融資の場合、一定の範囲で支店決裁が可能とされています。
自社に合っている支店長かどうか
銀行支店では、支店長が2~3年で交代になります。
支店長によって融資姿勢をはじめとしたスタンスは大きく変わるため、一度自社に合った銀行支店を見つけたとしても、必ずしもずっとそうではないと知っておきたいところです。
都度、支店長のスタンス(経歴、考え方によって様々)を把握しておいたほうがよいと考えられます。
そのような意味では、リスク分散のためにも、やはり複数の銀行との取引を持っておいたほうがよさそうです。
銀行の職務ごとの役割を理解する
銀行と会社との関わりという視点で考えると、大きく分けて、以下の3つの職務係があると知っておきたいところです。
- 渉外課:会社の担当となり、資金や金融商品のニーズなどを把握する役割
(会社の担当として、可能な限り会社の立場に立って稟議を上げてくれる) - 融資課:融資審査・管理する役割
(審査する立場であるため、こちらに融資申請する場合、こちら側から積極的にアピールする必要あり) - 事務課:窓口などの役割
(融資に絡まない)