「聞かない」ことの弊害を考える

「話す」ことの派手さや効用は分かりやすく、話す技術に関することは、よく紹介されがちです。

一方、「聞く」ことに着目したとき、どういったことが考えられるのか。

伊藤守「図解コーチングマネジメント」(ディスカヴァー・トゥエンティワン)から学んだこと。

目次

「聞かない」とどうなるか

人の話を聞かないと、どうなるのでしょうか。

会社組織に限らず、人間関係全般においてもいえることだろうと思います。

相手の立ち位置に立つととてもよく分かりそうです。

”話を聞かれていない”と、どうなるのか。

「聞かない」の負のスパイラル
  1. 自分の思いはあまり大切にされていないようだ…
  2. 自分はここでは役に立っていないようだ…
  3. 自分はここにいてもいなくてもいいような気がする…
  4. 自分は孤立している…

心理的に「負のスパイラル」に陥ります。

自分は大切にされていない存在価値が下がったように感じる不安や孤立感にも悩まされます。

とても大きな弊害が生じることが想像されます。

「聞く」とはどういうことか

話を聞くといっても、意識していないと、実際に、真に相手の話を聞いているときというのは、

意外と少ない時間であるものです。

聞きながら次の話題を考えていたり、次にどのように自分が話すべきか考えていたりします。

しかし、真に「聞く」とは、ただ相手の話を聞くということであって、

必ずしも問題の解決を求められているわけではありませんし、

必ずしも忠告やアドバイスを求められているわけではありませんし、

必ずしも評価することを求められているわけではありませんし、

必ずしも無理矢理同情したり共感したりする反応をしなくてはいけないではありません。


ただただ、相手の話を自分の心に十分に入れることだと思います。

聞いてもらった立場に立ってみると分かることですが、ただそうしてもらったことのみでもって、

自分の頭が整理されて、自分のなかにある「本当はこうしたい」と考えていた、

自分のなかにある自分ならではの解決策が見えてくるものです。

「聞く」技術

本当に人の話を聞くとは、意識しないとできないことです。

意識しないと、どうしても、人は自分を優先します。

この話に対して、自分は次にどんな話をしようか、自分はどう思うか、自分はどんな解決策を提示するか。

そういう意味でも、「話を聞く体制」をいつどのように取るべきか、ということについては、

意識していないとなかなかできないものです。

これは、それほど、”人の話を聞く”ことは難しいことで、集中力の要ることで、

心の余裕のないときには「自分」というバリアを張って己を守る、ある意味自然な行動といえるのかもしれません。

「聞く」ことにも技術があり、意識して身につけるようなものであると考えています。



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