主に竹田陽一先生の著書から「ランチェスター戦略」を見てきたのですが、1周したところで改めて「ランチェスター戦略」をまとめてみたいと思います。
目次
強者の戦略・弱者の戦略
「ランチェスター戦略」の起源の概略については、以下記事参照です。
強者(大企業)の戦略・弱者(中小企業)の戦略
強者と、弱者とでは、取るべき戦略も異なります。よって、中小企業が、大企業の真似をしてもうまくいかないと考えて差し支えないかもしれません。”ランチェスター戦略”…
強者と弱者とではそもそも物量(ヒト・モノ・カネ)が異なるため、弱者が強者とまともに戦っても勝てる確率は非常に低いということは、自明です。
そのなかで、「ランチェスター戦略」は、弱者は、強者もひしめくビジネスの世界において、どのように立ち回って戦えば勝機を見出していけるのかということのヒントも詰まっているという点において、注目すべきことが多いと感じています。
強者の戦略
弱者の戦略
弱者の戦略のポイント
踏まえて、「弱者の戦略」のポイントは、以下となります。
- 「差別化」
→強者と違うことをする - 「ニッチな分野で1位」
→総力戦(物量戦)をしても勝ち目がない - 「一点集中」
→限られた経営資源を、絞り込む - 「接近戦」
→顧客対応で一歩抜きん出る
具体例で考えてみる
- 地域を絞る
→広範囲への配達は、移動時間が長く利益がほぼ出ない(=原則として、移動時間は利益を生まない) - 主要な顧客を知る(→客層を絞る)
→誰が自社を選んでくれているのか?→アンケートやヒアリングで、顧客の目線を知る - 営業先に強弱をつける
→主要顧客・ターゲットとする見込み客がいるゾーンに重点を置き、いないゾーンは捨てる。 - チラシの文言を工夫する
→主要顧客・ターゲットとする見込み客へ訴求する文言にする。メニュー表などはラミネート加工して渡す。 - 地域密着
→強者よりも、お客様との距離感を縮める(密着戦)。お客様目線での意見を聞き、会社に取り入れる。 - 「戦術」を固めたら、「戦略」へ集中
→ずっとアルバイトと同じ仕事をしても会社の利益は苦しいまま。経営者にしかできないこと(戦略づくり)に集中する。 - 顧客対応(同業ではやらない一歩進んだ顧客対応)
→お礼のハガキ・メールなど。来店時のウェルカムドリンク、おしぼり、雨の日タオル。常連さんへは名前で呼びかける。 - 「商品」「地域」「客層」の細分化、絞り込み、トライアル&エラー
→強者にとって有利な”見通しのよい戦場”から、弱者にとって有利な”複雑狭隘な戦場”へ - お客様に聞く(アンケート、ヒアリング)
→「来店動機は何か?」「いつも来てくれるのはなぜか?」「他によく行く店はどこか?」「決定権を持っているのは誰か?」「要望はあるか?」 - マニュアルを作る
→最低限のレベルまでにはすぐになれるような”マニュアル”を作る(ただし、高レベルなことは求めない)