いいものを作れば売れる、という思考というよりも、消費者にとっての”価値”から逆算して作る・営業する、という思考を持つ必要性が問われている気がします。
森岡毅著「USJを劇的に変えた、たった1つの考え方-成功を引き寄せるマーケティング入門-」(角川書店)を参考として。
いいものを作れば売れる、の限界
”いいものを作れば売れる”
そこには限界があります。
技術革新の伸びしろがある情勢においては、いいものを作れば、圧倒的な新商品として明らかに目立つことができるので、おのずと売れる状況が作れていました。
一方、技術が成熟してくると、技術革新のインパクトは薄くなってくるため、ただ”いいものを作りさえすれば売れる”という状況ではなくなってきてしまいます。
「技術力」×「マーケティング力」で考える
市場に商品を送り出すとき、
”消費者にとって価値あるものか”
”消費者にとって最大の価値が感じられるものか”
”消費者にその価値が伝わるものか”
といった考え方(マーケティング思考)をする必要性が問われてくることになります。
そう考えてくると、おのずと、そもそもの流れが変わってきます。
自社がいいと思うものを作る→売る、というよりも、
そもそもの商品づくりの段階で最初に「消費者最適」を設定→そこに向けて技術力を結集してして商品を作っていく、という流れです。
一方で、それは、売れることにのみとらわれて、技術をおろそかにすることとは異なります。
売れるためには、そもそもの技術力などの”売れる種”は必要で、それなしに、売り方のアイデアだけで継続していくことは不可能といえます。
つまり、「技術力」もきちんと確保しつつ、かつ、「売るための思考」も必要とされる、という形です。
技術力とマーケティング力とが掛け算になっていて、どちらか0だとすべて0になってしまう、という構図です。
”マーケティング”の定義を整理することからスタートする
マーケティングはアメリカ発のもので、日本でその枠組みを理解するには、ひと工夫が必要な感じがします。
広告を作る部署?、消費者調査をする部署?、営業部からの選抜メンバーで企画を考える部署?
など、例えば、社内の”マーケティング部”の名のつくところに対するイメージは明確なものとはいえません。
何をどのようにする仕事なのか、それを踏まえて、権限や責任はどうあるべきなのか。
整理して理解する必要がありそうです。