ニーズ(要望に応える)とインサイト(本質を突いて提案する)

お客様が求めているものを提供するにも、”ニーズ(要望の応える)”と”インサイト(本質を突いて提案する)”とがあります。

森岡毅著「USJを劇的に変えた、たった1つの考え方-成功を引き寄せるマーケティング入門-」(角川書店)を参考として。

目次

「目的→目標→戦略→戦術」の順番で考える

経営の打ち手を決める際、「目的→目標→戦略→戦術」の順番で考えていく方が望ましいとされています。

つまり、自社のミッション(目的)を掘り下げたうえで、誰に(目標)、何を(戦略)、どのように(戦術)売るのか、という順番で考える、ということになります。

「目的→目標→戦略→戦術」 で考えるにあたっては、前提として、まずは”自社を取り巻く環境”を正確に把握しておく必要がありました。

「目標(ターゲット)」のインサイトを考える

「目標(ターゲット)」を定め、さらに、その目標のなかでも”より届けたい層”をイメージすることができたら、その”より届けたい層”の「インサイト」を考えていくことになります。

「インサイト」とは、直訳で”本質を見抜く”などと訳されるものです。

消費者自身が、”多少感じてはいるが、顕在化して認識できていないこと”を、先回りして言語化し、その解決を提案する場合に使われます。

ニーズとインサイトの違い

「ニーズ」と「インサイト」とは、異なります。

ニーズ

「ニーズ」は、”お客様からの要望”を指しています。

つまり、お客様側ですでに明確に認識して、具体的に要望している場合です。

よって、それをキャッチしていけているかどうか・キャッチしていくかどうか、を考えていくことになります。

インサイト

「インサイト」は、”お客様自身が漠然と感じてはいるものの、明確に認識していないもの”を指しています。

深層心理のようなもので、それをこちら側で先回りして顕在化し、それへの解決策を提案していくという形です。

例えば、当事務所の例でいくと、”事業のお金に関する漠然とした不安を解決する・どんぶり勘定への不安を解決する”といった提案はそれにあたると考えています。

”お金の流れの見える化”ができていないと感じている経営者のほとんどの方は、”自社がどんぶり勘定”であることを気にされていますが、それをそもそもどのようにすればよいのか・そもそもどうにかできるものなのか・自分が勉強不足だからではないからだろうか・会計に関する難しい勉強をしなくては見える化できないのではないか、といったことを漠然と感じるものの、具体的にどのようにすればよいか分からない・そもそも何をどうすればよいか分からない、といったことを感じていらっしゃることが多いです。

キャッシュフローコーチングは、事業のお金の流れは見える化することができ、自社の経営判断やその先行きの具体化に役立つということを、先回りして提案しているものです。

”違い”のイメージ

「ニーズ」は、すでに消費者の方で認識・顕在化できているものを指しています。

一方、「インサイト」は”感じてはいるもののはっきりと認識しておらず漠然としているもの”を指しています。

「インサイト」を起点に展開するとしたら

「ニーズ」を起点に展開するのと、「インサイト」を起点に展開するのとでは、流れが異なるものになります。

同じく消費者の要望に応えていくという行為ですが、”すでに顕在化しているもの”と、”まだ顕在化していないもの”とでは、その対応方法や進め方は異なるものとなってきます。

「インサイト」には、”認識してもらう→提案する”というものもあれば、”感情を刺激する→提案する”というものもあります。

  • ”日頃なんとなく感じているが、仕組みを認識できていない
    →”なんとなく”を言語化し、その解決を提案する
  • ”日頃なんとなく感じているが、感情面からあえて考えないようにしている
    →あえて考えないようにしているその”感情”も尊重しつつ、少し顕在化して、その解決を提案する

いずれにしても、お客様の立場に寄り添ったデリケートな洞察や深い理解が必要とされる真剣勝負だと感じています。

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