すでにポジションを確立している強者に対して、まだポジションを確立していない弱者は、どのような戦略で営業していけばよいのか。
栢野克己(著)竹田陽一(監修)「小さな会社の稼ぐ技術」(日経BP社)を参考として。
ランチェスターの法則のおさらい
ランチェスターの法則を、もともとの軍事の法則として、”勝つために弱者が取るべき戦略”のポイントをまとめると、以下のようなものです。
- 局地戦:見とおしのよい広い地域ではなく、複雑狭隘な限られた地域で戦う
- 一騎打ち:ターゲットを決める
- 接近戦:できるだけ接近して戦う
- 一点集中:戦闘力を集約し、集中させる
- 陽動作戦:動きを見せず、裏をかく
”営業”は途方もない
すでに一定のポジションを把握している強者に対して、これからポジションを築いていかなければならない弱者は、”営業”することによって、ポジションを築いていく必要があります。
この”営業”、営業職としての経験がない場合、途方もなく思えます。
手当たり次第に飛び込み営業して、都度、邪険に扱われて、心が折れるようなシーンをなんだかイメージしてしまいがちです。
一方、たとえ営業職としての経験があったとしても、背負っている看板が異なった状態で営業する場合、セルフイメージや戦略を再構築しなければ、うまくいかない場合も考えられます。
いずれにしても、”営業”は目に見えず、途方もなく見え、やみくもになってしまいがちです。
ゆえに、”戦略”なく動いてしまうことにも繋がってしまいます。
ザイアンスの法則を参考に、ミックスして組み立てる
営業の戦略を組み立てるとき、「ザイアンスの法則」はとても参考になるものです。
- 人は、知らない人や物には、警戒心を持つ
- 触れる回数が多くなればなるほど、好意や興味関心を持つ
- 相手の人間性が見えると、親近感を持つ
この法則を参考にすると、思いつきで営業を仕掛けても、労力の割に成果が少なく、営業には「戦略」が必要なことが分かります。
見込み客にアプローチするパターンは、リストアップしてみると、実に様々な方法があることが分かります。
少しリストアップしてみるだけで、これだけの手段が考えられます。
これらを「ザイアンスの法則」に沿って、複数の手段をミックスして展開していくだけでも、随分と結果が変わってくるものになります。
もっといえば、このような手段にとらわれず、 もっとも重要なのは”人間関係・信頼関係”ということもできます。
”人脈”というととてもビジネスライクな感じがしますが、「ザイアンスの法則」に沿って考えてみると、もっとシンプルに、自分の私心を抑えて、出会った人すべての方と自然な形で接触を重ねて人間的な関係性を築いていくと、自然と自社の商品・専門分野においてお役に立てるときがくるように感じています。