お金は感情に影響を与える

お金は感情に影響を与えるゆえに、大切に扱う必要があります。

今井孝著「 起業1年目のお金の教科書(かんき出版)」を参考として。

目次

お金は感情に影響を与える

「お金」は「感情」に影響を与えます。

事業を始める際・継続していく際、”「お金」というものにとらわれずにいたいものだ”と思うものですが、現実には事業にはお金はつきものですし、向き合わざるを得ないものです。

「お金」との距離感・向き合い方が曖昧であると、以下のようなことに振り回されることになってしまいます。

  • お金が減るのが怖くて、せっかくの機会を逃す
  • お金に無頓着すぎて、必要のないものに投資してしまう
  • 値付けの基準が曖昧で、安くで請け負ってしまう

向き合い方が曖昧なままに無計画に手元のお金が減っていくと、不安から冷静でいられなくなり、普段は受けないような仕事を受けざるを得なかったり、普段は受けないような価格で仕事を受けざるを得なかったり、普段であれば見向きもしない高金利・高手数料の資金調達に手を出して余計に苦しくなってしまったり、普段は騙されたりしないのに騙されて無駄なこと・ものを買ってしまったりして、正常な経営判断ができなくなってしまいます。

このように、「お金」との距離感・向き合い方は、「感情」を左右し、結果、「経営判断」へと影響を及ぼし、事業を大きく左右します。

形から入らなくてもよい①

事業を始めるとき、形から入ってしまいがちなものからまずは解放されてみるとよさそうです。

例えば、「事業にはお金がかかるのではないか。まずはお金を調達しなければならないのではないか。」といったこと。

しかしながら、実際問題、お金だけがあったとしても、何をどのように準備すればよいかがイメージできていなければ、事業はうまくいかないものです。また、”何かを購入しさえすれば事業がうまくいく”などといったこともないものです。

事業には何が必要なのかを具体的にリストアップしてみると、開業準備には多種多様なことがあることに気づきます。

例えば、カフェ開業を考えるとして、

  • どこに出店するか
  • 他店はどのような店構えで、どのようなものを出しているか
  • 自店は、どのようなものをどのような価格で出すか
  • 空いている時間で他店でアルバイトするなどしてノウハウを学ぶ
  • 必要な什器はどのようなものかリストアップしてみる
  • 店舗を契約し、改装する
  • 什器を購入する
  • 材料を仕入れる
  • Webサイト、SNSの準備をする
  • 看板を準備する
  • パンフレットを準備する
  • チラシを準備する

など、開業の準備は多種多様といえます。

リストアップしてみると、お金のかかるもの・お金のかからないもの、に区分けすることができることに気付かされます。

最初に”お金の調達”といった形から考えなくとも、まずはできる範囲で自己資金を貯め、その間に、お金のかからない開業準備で取り組むべきことは多く存在します。

逆に、そのような進め方をしていくことで、事業を始めることへの本気度・真剣度・具体度が高まり、やがてはその計画を応援したいという他者の思いを引き寄せることができ、結果として、金融機関などからの融資の成功へと繋がっていくものです。

形から入らなくてもよい②

例えば、「事業には手続きが複雑なのではないか。」といったこと。

行政への申請など、慣れない手続きは複雑怪奇に映り、突き進むときの”心理的ハードル”になります。

ただ、手続きや申請などは、各行政機関に聞けば意外と丁寧に教えてくれるものですし、専門家に依頼することも可能です。

事業の本質は、”社会に新しい価値を創造すること”であり、特に開業・立ち上がりにあたっては、そこに集中的に時間を投下すべきであると考えられます。

手続きを調べることに時間をかけることは本末転倒であるともいえ、そこに時間をかけるよりは、事業の本質に時間をかけ、手続きそのものは行政機関や専門家にサポートしてもらう、というスタンスのほうが事業の軌道への乗り具合は速くなるものと考えられます。

最初に、何にお金を使うべきか

事業をスタートする・進めるにあたって、何が一番の制約になっているか。

それは、「自分の中のブレーキ」であると考えられます。

融資手続きや行政手続き、チラシ作成・営業手法などの学び、これらはすべて事業の”手段”にしか過ぎません。

どれほど学んでも、自分自身が行動しなければ、何も始まらないものです。

そして、自分自身を動かすのは、「自分自身の意思の力」といえます。

ただし、世の中、意思の強い人間というのは少ないものです。

人間の多くは、誰かと対話することで、自分の中の考えが可視化されて何をすべきかが明確になったり、他者に宣言することで健康的な強制力が働いたりし、行動が加速するものです。

何かうまい”やり方(手段)”にお金を使うのではなく、対話する相手を通じて”あり方(自分の意思)”のコントロールをすることにお金を使うほうが、結果的に、事業の軌道への乗り具合は速くなるものと考えられます。


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