身軽に動き回れる営業戦略を考える

中小企業が営業戦略を考えるにあたっては、ランチェスター戦略に基づけば、限られた資源をどこかに集中投下し、複雑な地形を自在に動き回れるような方法を選ぶのがよいとされています。

竹田陽一、栢野克己著「小さな会社★儲けのルール ランチェスター経営7つの成功戦略」(フォレスト出版)を参考として。

目次

大企業(強者)に対し、中小企業(弱者)が取るべき戦略の基本

軍事戦略であるランチェスター戦略によれば、戦闘力(兵器の性能×兵士の数)に勝る強者に対し、戦闘力が劣る弱者が取るべき戦略の基本は、以下とされています。

第一法則
(弱者が取るべき戦法)
第二法則
(強者が取るべき戦法)
  • 一騎打ち戦
  • 局地戦
  • 接近戦
  • 広域戦
  • 確率戦
  • 遠隔戦
  • 地域や客層を限定し、局地戦接近戦からの一点集中突破を図る
  • 一騎打ちに持ち込めば確実に勝てるよう、武器(商品力)などの差別化を図る

軽装備で自在に動き回るために考えるべきポイント

大企業(強者)の基本戦略は、十分な設備投資を行い、できるだけ平坦で広い分野において、遠くまで届くようなやり方で、できるだけ手間なく効率よく戦果を上げていくというものです。

これはつまり、必然的に重装備となることを意味しています。

物量のアドバンテージを活かし、それらを効率よく運用するために多層な意思決定プロセスを取ることになるからです。

逆にいえば、中小企業(弱者)の強みは、軽装備であり、自在に動き回れる点にあります。

できるだけ複雑・狭隘な地形のなかを自身が優位に自在に動き回れる状況を作り出し接近戦を仕掛け、一騎打ちをすることで勝ちを見出すというものです。

”軽装備で自在に動き回る”とは、具体的に、以下のようなことが考えられます。

  • 意思決定過程がシンプルであり、スピーディーである
  • 自分という唯一無二の人間性(キャラクター)を活かし、すべてにおいて、それに合った選び方をしていく
  • ”好きなこと”で突き詰める
  • エンドユーザーに直接訴求する動きを重ねる
  • 営業スタイルや営業ルートを、セオリーにとらわれず、自在にミックスする

営業スタイルや営業ルートを知る・ミックスする

上記のうち、「営業スタイルや営業ルートを、セオリーにとらわれず、自在にミックスする」という点を掘り下げて考えてみます。

営業スタイルや営業ルートは、業種などによって、実に様々なものがあります。

竹田陽一、栢野克己著「小さな会社★儲けのルール ランチェスター経営7つの成功戦略」(フォレスト出版) をもとにまとめてみました、

これらの様々な業種の様々な方法を参考として、自分にとって動きやすいスタイルをミックスすることで、独自に編み出していくと、唯一無二の強みに仕上がってくると考えられます。

法人向け営業

  • 問屋に卸す(例:加工食品、雑貨など) 
  • 小売店に販売する(例:家電、食品、アパレルなど)
  • 訪問して営業する(例:事務機、広告、人材派遣など)
  • 通信販売で購入してもらえる仕組みを作る(例:アスクル、ソフトウェアなど)

個人向け営業

  • 訪問して営業する(例:保険、リフォームなど)
  • 継続的に訪問して販売していく(例:新聞、ダスキン、配置薬、宅配外食など)

店頭販売

  • 飲食店モデル
  • 小売店・サービス店モデル

通信販売

  • マス広告(テレビ、ラジオ、新聞など)
  • マス以外の紙媒体(チラシ、タウン誌、DMなど)
  • 電子媒体(インターネットなど)

イベント・セミナー販売

  • 住宅、車、着物、塾、研修セミナーなどのモデル

組織販売

  • 化粧品、健康食品、鍋などの販売モデル

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