「目標」は人生航路の灯台といえますが、理想を意識しすぎて余裕がなくなってしまったなら、いま一度暗闇に目をこらしてみることも大事といえそうです。
河合隼雄「こころの処方箋」(新潮社)を読んで学んだこと。
目次
理想の状態
「理想の〇〇」というと、やはりなんとなく危うげな印象があります。
自身でも理想を思い描き、その理想(目標)に近づくべく努力を重ね、いざその理想に近づいたときに、なんとなく気づまりや窮屈さを感じたりすること、想像できるような気がします。
はた目から見て、”理想を生きている・理想的な人”などと言われている人が、突如そんな生き方を投げ出したりすることなどもたまにあります。
「目標」は自分の位置を照らしてくれる灯台
理想という「目標」の存在は、やはり人にとってあった方がよい気がします。
河合隼雄さんの書籍では、目標の存在によって、理想の光で自分の存在が照らし出され、向かうべき道が見えてくるいわば”灯台”、と表現されていました。
しかし、灯台は、遠く離れているときは目標として役に立つけれども、近づきすぎると水面下の目に見えない岩礁も多くなるもので、難破のリスクも高まるものです。
苦しくなったなら、暗闇に目をこらす
ひとつの灯台に近づいてきたなら、あまり固執しすぎずに、また改めて暗闇にじっくり目をこらしてみると、また遠くに他の灯台が見えてくるはずで、また再び航路を変更して、その次の灯台を目指してみるのもよいかもしれません。
目標としていた光から、改めて暗闇に目を移すことは到底大変なこともあるかもしれないのですが、自分の心の声に耳を傾けて、またおぼろげな次の心地よい光の灯台の存在を感じて、航路をゆっくり変更してみるのもよいのかもしれません。