自分のなかでの「正しい」が常に相手に受け入れられるとは限らないため、「判断基準」を説明するようにしています。
和仁達也著「コンサルタントの対話術」(かんき出版)を読んで学んだこと、キャッシュフローコーチとして感じたこと。
”情報不足”から”情報過多”へ
今ほどインターネットが普及しておらず、情報が不足していた時代においては、そもそも”教えてくれる”ということ自体に価値があったように思います。
まったく知らない状態から、何らかの「正解」を教わり、それに向けて進んでいくという形。
一方、インターネットが普及してきて、情報はありあまるほどになってきました。
しかし、そのように情報が溢れてくると、今後は、何が自分にとっての「正解」なのかが分からなくなってしまいがちです。
「正解」は人によって異なる
法律で決められていること、正しい流れで数字計算すれば答えが出るもの、であれば「正解」は明らかです。
しかしながら、ほとんどの場面において、あらかじめ「正解」が分かることはごくわずかです。
自分では「正解」「正しい」と思ったとしても、相手にそれがすんなり受け入れられるかどうかは分かりません。
情報が溢れるなかにおいては、誰かから一つの「正解」を与えられたとしても、他に自分に適した道があるのかもと迷いがちなものです。
誰しも「自分自身で考え、選んだ道を進みたい」という気持ちがあります。
「正解」を言うというよりも、「判断基準」を提示する
何かしら相談を受けたり、提案したりするときには、自分のなかで取捨選択した「正解」の1案のみで話さないようにしています。
たとえ結果的にそれが最適であったとしても、最終的に「自分自身で考え、選んだ道を進んだ」と実感してもらえなければ、やはりどこかしら不自由さを感じさせてしまうように思います。
それよりも、いくつか考えられる選択肢を整理し、その「判断基準」としてどのようなことがあるかを説明するよう心がけています。
そうすることで、「自分自身で考え、選んだ道を進んだ」と実感してもらうことができ、満足度を感じてもらうことができるような気がしています。