「生産性が高める」「生産性が低い」という言葉をよく耳にしますが、どういうことなのか、自社にどう関係することなのか、具体的にどうすればよいのか、ITを導入しさえすればよいのか、具体的な形で理解できていないことも多かったりします。
自社なりに定義して、自社に引き寄せて、方向性を具体的にすると施策が立ってくると思います。
「生産性」を定義する
昨今、働き方改革などで「生産性」「生産性を高める」などという言葉をよく目にします。
しかし、意外と、そもそも”生産性とは何か”について具体的に解説されていることは少ないように思います。
なんとなくで「生産性」を捉えてしまうと、結果何をするにしても主体的なものではなくなってしまい、手段が目的化したりしがちです。
生産性とは、”付加価値 ÷ 投入した生産要素”のことを指しています。
さらに噛み砕いて考えると、投下した労働量でより多くの生産物を作り出すことができれば、生産性は向上したといえます。
「生産性を高める」を自社に引き寄せる
定義だけでも、やはりまだ実際に自社に引き寄せて考えることが難しい印象があります。
具体的ではないからです。
もう少し会社にとって身近な言葉で置き換えて考えるとすると、付加価値とは「粗利」のことを指すといえます。
自社の現状のそれぞれの人員で、今よりもより高い粗利を稼ぐことができれば、生産性が向上したといえる、ということになります。
少し具体的になりました。
「生産性を高める」ための6つの方向性を整理した後、施策を立てる
会社にとって分かりやすい用語である「粗利」に置き換えることで、より具体的になりました。
さらに突き詰めて方向性を整理すると、より自社にとって分かりやすく、具体的なものになります。
売上高①単価
売上高の構成要素は、「単価・数量・リピート」で構成されています。
数量とリピートがそのままであることが前提ですが、単価を上げれば、粗利は大きくなります。
つまり、単価を上げる方法・目標を、単価を担当している係・部署(例えば、商品開発部など)に落とし込んで共有し、改善することができれば、生産性は向上したといえます。
売上高②数量
単価とリピートがそのままであることが前提ですが、数量を上げれば、粗利は大きくなります。
よって、数量を上げる方法・目標を、数量を担当している係・部署(例えば、営業部など)に落とし込んで共有し、改善することができれば、生産性は向上したといえます。
売上高③リピート
単価と数量がそのままであることが前提ですが、リピート率を上げれば、粗利は大きくなります。
リピート率を上げる方法・目標を、リピートを担当している係・部署(例えば、カスタマーサポート部など)に落とし込んで共有し、改善することができれば、生産性は向上したといえます。
変動費率の改善
売上高から原価などの変動費を軽減させることができれば、粗利は大きくなります。
変動費を低減させる方法・目標を、変動費を担当している係・部署(例えば、仕入れや外注を発注している部など)に落とし込んで共有し、改善することができれば、生産性は向上したといえます。
固定費の改善
また、固定費を見直すことができれば、粗利を大きくしたのと同じ効果があります。
固定費を見直す方法を、固定費を担当している係・部署(例えば、経理部・総務部など)に落とし込んで共有し、改善することができれば、生産性は向上したといえます。
経費以外の支払の見直し
経費になるもの以外の支払いの見直しも、粗利を大きくしたのと同じ効果があります。
例えば、節税や、個人的な借入金の返済条件の見直し、リースをできるだけ抑える方向に動く、などです。
つまり、社内の人の誰しもが、生産性向上に、それぞれの立場で向き合うことができるといえるのです。
このように、経営者が方向性を整理し、それぞれの立場の社員と、それぞれの立場に合った、より具体的な視点のなかで話し合うことができれば、全方向から、より粗利を稼ぐにはどうしたらいいか、という目標を共有することができ、生産性を向上させることができます。