創業融資の面談時には、どのようなことが聞かれるのか。
水野剛志著「飲食店経営で成功するための「お金」のことがわかる本」(日本実業出版社)を参考として。
目次
事業実績がない場合、創業者個人の信用が重視される
金融機関が最も重要視するのは、「貸しても返してくれるのか」ということに尽きます。
事業実績があり、利益が出ていれば返済原資があることが明らかといえます。また、これまで借入実績があり、毎月きちんと返済しているという事実があれば、信用が置けるという評価に繋がります。
創業時には、事業実績・借入実績がないため、上記の物差しで評価することができません。
その場合には、「創業者個人の信用」によって評価されていくことになります。
創業融資の面談においては特に、創業者個人の信用や実績をきちんと表現していく必要があります。
よくある質問
- なぜ、創業しようと思ったか?
- どのような経歴・資格を持っているか?
- どのような事業内容・ビジネスモデルか?
- 商品・サービスはどのようなものか?
- 具体的な販売先・仕入先の想定はどこか?
- 立地の根拠は?
- 他社との差別化ポイント・強みはあるか?
- 競合や経営環境をどう考えているか?
- ターゲットとするお客様層はどのような層と考えているか?
- 役員の人数は?
- 従業員数は何人か?
- 将来の事業展望をどのように考えているか?
- 創業後の懸念点・経営課題は何か?
- 自己資金をどのように貯めたか?
- 個人で住宅ローン・自動車ローンはあるか?
- 個人でカードローンや消費者金融からの借入はあるか?
- 個人でクレジットカードのキャッシングはしているか?
- 必要な設備資金や運転資金はいくらか?
- 創業当初の売上高・売上原価をどう考えているか?
- 軌道に乗った場合の売上高をどう考えているか?
- 人件費・家賃はいくらと想定しているか?
- 計画通りに売上が上がらなかったらどうするか?
なかには、個人にかなり突っ込んでの質問も多くあることが分かります。
創業の場合は事業実績がないため、個人の信用に強く力点が置かれる点が特徴です。
これらに、事実を筋道を立てて回答していくことが求められます。
ポイント
「信用」とは、判断するポイントが曖昧です。少なくとも、将来や理想や見通しのみでは「信用」の有無を判断することができません。
あくまで、”過去の事実・行動”の積み重なりが中心で、将来や理想や見通しについてもそれそのものというよりも、”なぜそのように考えるか・説得力や現実味があるか”が重視されます。
- これまで何をしてきたのか
- これまでどのような結果・実績を残してきたのか
- どのような点で強みがあるか
- 経営者としての自覚・能力があるか
- 創業に向けてどれだけ地道な準備をしてきたのか
- 自己資金を貯めた過程(=通帳の動きで裏付けられる)