「モノ」が溢れるようになって今、「モノ」と、購入する人・使用した人の”体験”まで意識的にセットで考える必要がありそうです。
「モノ」「サービス」の選択肢が増えている
昨今、「モノ」や「サービス」が溢れ、多種多様に色々なタイプのものが出てきています。
特に、新型コロナウィルス感染症の流行により、リモート設備(zoomや各種SaaS)やインターネット通販などをまつわる環境が整備されてきています。
単純に「モノ」や「サービス」が揃うようになったというだけではなく、全国・全世界から「モノ」や「サービス」を選び、取り寄せることがより容易になってきていることを意味しています。
”体験”は独自性が高い
急速に全国・全世界がライバルともいえる状況になっています。
そのようななかで、あえて自社の「モノ」「サービス」を選んでもらうためには、どうしたらよいものでしょうか。
例えば、友人への贈り物を選ぶとき
例えば、友人への贈り物を選ぼうと地域で有名な菓子店に行ったとして、選ぶとき・購入したときの”体験”の効果は大きいものです。
極端な話、「モノ」だけであれば、”地域で有名な菓子店”には行かないかもしれません。
なぜなら、あらゆるものをインターネット通販で取り寄せることができるからです。
全国規模・全世界規模で選び、取り寄せさえすれば、よりよい「モノ」は手に入り、友人へよりよいプレゼントができます。
あえて”地域で有名な菓子店”に行くとしたら
しかし、あえて”地域で有名な菓子店”に行くとしたら、以下の理由が考えられそうです。
- どのようなときにどのようなものを贈ったらよいか、店員さんに話を聞いてもらい、相談したい。
種類、包装、贈り方など、できれば提案してくれたら嬉しい。 - 地域でのブランド・知名度から、相手に敬意がより分かりやすく伝わるといいな、という期待。
「モノ」だけが判断基準だけではない
つまり、「モノ」だけを選ぶ基準にしているのではなく、”それにまつわる部分”も選ぶ基準にしていることに気づかされます。
- 購入するときに、人に友人へどのような状況・気持ちで贈りたいかを聞いてもらった上で、それによりふさわしいものを選ぶサポートをして欲しい。
- よりよくなる提案があるのであれば、ぜひ教えて欲しい。
- 購入後に、友人に最も気持ちが伝わる選択をすることができた、と満足したい。
- 地域でのブランド・知名度をもって、贈りたい相手にも満足して欲しい。
「モノ」に”体験”を判断要素に加えている
購入するときの体験(納得のいくものを選びたい)、贈った後の体験(相手に気持ちが伝わって欲しい、満足して欲しい)、あるいはブランド体験価値、といった要素を判断要素に加えていることに気づかされます。
ほかにも、ただ「モノ」を購入するのではなく、”誰かを応援する気持ち”もセットとするのであれば、クラウドファンディングなども選択肢に入ってきます。
サービスデザイン思考
「モノ」「サービス」などが単品で存在するのではなく、「モノ」や「サービス」も融合し、さらに「体験」もセットとして自社の商品やサービスを設計する考え方を、「サービスデザイン」というそうです。
サービスデザインの例でよく挙げられるのは、スターバックスコーヒーです。
コーヒーという「モノ」のみならず、”スターバックスという空間にいたい”という体験も考え抜いて、全体の商品が設計されています。
「体験」は、人が感じるものであるがゆえに、おのずと距離的な制約も伴うものであって、ここには独自性を持たせることができます。
「モノ」や「サービス」だけではなく、全体としてどのような「体験」を届けることができるか、を設計できるかどうか、が鍵になりそうです。