中小企業の場合、大企業のやり方を真似たとしても物量において勝てません。
戦い方のポイントがどこにあるのか、“ランチェスター戦略”から考えてみました。
竹田陽一、栢野克己著「小さな会社★儲けのルール ランチェスター経営7つの成功戦略」(フォレスト出版)を参考として。
世の中の情報は、大体は大企業向け
テレビ、新聞、広告、経済誌。
上記を通して世の中に出回る情報は、おおむね大企業向けです。
作り手も大企業志向ですし、大企業側からも宣伝のために上記のようなツールを使って情報を流しています。
大企業に勤める立場であれば、上記のツールから学ぶ情報は有用かと思うのですが、少なくとも中小企業にとっては、それらの情報が役に立つ場面はとても少ないと考えられます。
つまり、中小企業という立ち位置から考えた場合には、経営を勉強したくとも、上記のような一般的な情報をそのまま受け入れたとしても、直接的に役に立つということはほぼないといってもよいくらいといわれています。
強者(大企業)の基本戦略・弱者(中小企業)の基本戦略
ランチェスター戦略においては、業界1位を強者(大企業のなかの一部)、2位以下を弱者(左記以外の企業)と定義づけています。
そして、強者(大企業)が勝つための基本的な戦略、弱者(中小企業)が勝つための基本的な戦略が以下のようにまとめられています。
強者(大企業)の基本戦略
強者が効率的に勝っていくためには、基本的に、”より遠くまで届く武器を中心に使い、見晴らしのよい場所で戦う”が基本になります。
- 大都市を中心に展開する
- 広く・遠くまで届けやすい商品を選択する
- 広く・遠くまで届けやすく、手間のかからない営業方法(CM、ネットなど)を積極的に選択する
弱者(中小企業)の基本戦略
一方、弱者が買っていくためには、基本的に、”できるだけ相手との距離が近く戦える方法で、強者の効率性が機能しづらいような身を隠しやすい狭隘な場所を選んで戦う”が基本になります。
- 戦う場所・エリアをあえて限定する
- お客様に寄り添うことがお客様にとっての満足となるような商品を選択する
- お客様の顔が見える距離感を大事にし、きめ細やかな営業を行う
3つの目を持つ
経営を行う上では、どうしても「自分の思い」だけが先行しがちです。
しかし、経営は経済的な持続可能性を確保しなければ継続していくことができないため、以下の3つの目を持つことが重要です。
- 自分の思い
- お客様からどう見えるか
- 同業他社の動向はどうか
特に、「自分の思い」と「お客様からどう見えるか」という部分が重なり合わなければ、売上が立ちません。
逆にいえば、同業他社の動向を把握しつつ、”お客様から見えた感じがどうであるのか”を積極的に知ることによって、売上を立てていく道筋を知ることができるように思います。
そのために、具体的には、自分以外に意見を聞く、アンケートなどでお客様の生の声を拾う、などの方法が考えられます。