相手に何かを伝えようとするとき、どのような順番で検討し、整理しておけばよいか。
森岡毅著「苦しかったときの話をしようか」(ダイヤモンド社)を参考にして。
「どのように(HOW)」だけでは伝わらない
他者に自分の考えを伝えようとすると「どのように」という点にばかり目がいきがちですが、うまく話そうとする点にばかり気が取られると、結果、他者に伝わらないということにもなりがちです。
うまく話せても中身がなければ効果がありませんし、一方で、たどたどしくても中身がしっかりしていれば効果を発揮することが多々あります。
「中身(WHAT)」と「伝え方(HOW)」は掛け算になっており、どちらかがゼロではあくまで全体としてゼロになってしまいます。
WHO(誰に)×WHAT(何を)×HOW(どう)
「伝え方(HOW)」以上に「中身(WHAT)」が大事、とはいうものの、それではなかなかに漠然としています。
そのため、自分の中になる漠然とした「中身(WHAT)」を、「誰に(WHO)」という軸に向けてまとめ上げていくことが有用でした。
森岡毅著「苦しかったときの話をしようか」(ダイヤモンド社)では、「My Brand」という名のもとに自分自身をマーケティングしていくプロセスをわかりやすく説明されていました。
- 「誰に?(WHO)」
伝えたい相手を具体的に規定する - 「何を?(WHAT)」
相手にとっての”便益(ベネフィット)”を考える
その”便益”を信じるに足る根拠を考える - 「どうやって?(HOW)」
相手に便益とその根拠をどうやって届けるかを具体的に規定する
4つのポイント
どこで(WHERE)
伝えたい相手のいる領域を定める必要があります。
”広すぎても狭すぎてもいけない”という点が重要です。
広すぎると自分自身の力量が分散されて埋没してしまいますし、狭すぎるとそもそも伝えたい相手がいないということにもなりがちです。
誰に(WHO)
”伝えたい相手”を具体的に定義する必要があります。
ここではその領域のなかにいる相手のなかで”伝えたい相手”を2段階に分けて、「少しでも可能性のある相手」と、「よりピンポイントに伝えたい相手」とに分けておくと、より誤りなく相手に届けることができるようになりそうです。
何を(WHAT)
”何を”は、相手に受け容れてもらうには、相手にとっての「価値」、すなわち「便益(ベネフィット)」である必要があります。
また、そのことを信じるに足る証拠(実績、経験、資格など)があるのであれば、ぜひともあわせて紹介したいところです。
どのように(HOW)
便益を提供するための”手段”という位置づけになります。
相手側から考えると、HOWは直接見えるもので、WHATは見えづらいという特徴もあり、どのように見せるのかという視点で考える必要があります。