他社とは異なる”自社ならでは”を見つけるには、どのようにすればよいのか。
齊藤三希子「パーパス・ブランディング」(宣伝会議)を参考として。
「すべての人に、あらゆるものを提供する」は不可能
事業を行うとき、誰しも、”自分が提供するものを通して社会の役に立ち、対価を得る”というところからスタートしていきます。
その際に、なぜ・いつ・どこで・誰に・何を通して・どのように、という視点を明確にしないと、社会のなかでの自社の存在がどことなくぼんやりとしたものとなり、結果、消費者から見つけてもらいにくいという状況になりがちです。
大企業であれば、大きいということでまず目立つことができますし、そこに歴史が加われば実績=信用へと繋がります。
一方、中小企業で、なおかつ創業しての歴史が浅い場合にはなおのこと、消費者に印象を持ってもらう必要性が出てきます。
”社会のなかでの自社の存在(=自社はなぜ社会に存在しているのか)”がぼんやりしている場合、うまく言語化できず、以下のように思いがちです。
「すべての人に、あらゆるものを提供する」
創業したてだと特に、”とにかく多くの人に”・”受け入れてくれるならなんでも”という思考になりがちです。
しかし、大企業ですら、”すべての人に、あらゆるものを提供する”ことなどは不可能です。
中小企業の限られた経営資源では、なおのこと不可能です。
”自社ならでは”の視点で、社会にどう役に立てるか考える
”すべての人に、あらゆるものを提供する”ことが不可能である以上、”自社ならでは”の立ち位置で、社会に対して特定のものを提供することになります。
大企業ですら、”あらゆるもの”は不可能なため、特定の商品と近隣分野にとどまります。
”自社ならでは”の立ち位置(ポジション)を探し出し、そのポジションから、社会にどう役に立てるか、という視点を持つ必要があります。
必要な視点
自社やその周囲に関する情報をより多く集めることで、見えてくるものがあります。
- 創業者の思い
- 創業者の経緯
- 経営者の思い
- 自社(および商品)の原点(過去→現在)
- 自社(および商品)の歴史(過去→現在)
- 自社(および商品)の目指す姿(未来)
- 現在のお客様が感じている満足感(具体的な効用)
- 現在のお客様が感じている感情的な印象(プラスの印象、マイナスの印象)
- 自社の「強み」は何か
- 自社の「情熱・こだわり」は何か
- 社会のニーズは何か(顕在的・潜在的)
- 上記が重なり合う部分がどこか
→「社会のニーズに対応できる自社の強み」