”相手が何に困っているか”を理解するためには、表面的なことから踏み込んで、背景や意図も丁寧に聞いていく必要があると感じます。
和仁達也著「コンサルタントの対話術」(かんき出版)を読んで学んだこと、キャッシュフローコーチとして感じたこと。
表面的な情報からの対応の限界
相談者の話を聞いていざ対応すると、時としてピント外れな対応になることがあります。
それは、話の表面的な部分しか聞けていないから、ということになります。
話の表面的な部分というのは問題の一部分(氷山の一角)にしかすぎないため、全体を見ずに、自分で全体を勝手に類推して対応策を考えて対応した結果、ピントが外れてしまう、ということだろうと思います。
なぜこのようなことが起こるかというと、相談者自身も”何が問題なのかが手探りだから”に尽きると思います。
考えがまとまらないまま、雲を手で掴むように少しずつしか言語化できないため、全体像を言葉で表現することが難しい状況にあるからこそ困っている部分もあるのだと思われます。
背景や意図を知る
表面的なことから、一歩進んで全体像を知るには、そのことの「背景」や「意図」を知る必要があります。
「なぜ、そのように思われるのですか?」
ということを率直に聞いていけば、少しずつ全体像が言語化されて、問題の全体が見えてくるようになります。
しかし、上記の質問は、シンプルなようで難しい質問だと感じます。
相手に怪訝に思われたらどうしよう、と思うからです。
「前置き」が大事
「なぜ、そのように思われるのですか?」という質問自体は、むき出しな印象があります。
なので、これに「前置き」をつけて聞くと、実際に聞くハードルが下がり、聞くことができるようになると感じています。
前置き:自分の場合は
「例えば、私の場合は~ということがありましたが、○○さんはなぜそのように思われますか?」
過去に自分の経験があれば、自分のことを話すと、相手への質問がマイルドになります。
前置き:他社の場合では
「他社の場合では~ということもありましたが、 ○○さんはなぜそのように思われますか?」
言語化のきっかけのひとつとして、”他との比較”が挙げられます。
他と比較すると、その違いを言葉にしやすい場合があります。
前置き:世間では
「世間では~という意見もあるようですが、 ○○さんはなぜそのように思われますか?」
これも、”他との比較”で、比較することで言葉にしやすいということがあります。
前置き:ぜひお役に立ちたいと思っている
「ぜひお役に立ちたいと思っていますので、突っ込んで伺います。 ○○さんはなぜそのように思われますか?」
お役に立ちたいから踏み込ませてもらいたいということを、前置きとして率直に伝えることで、唐突な印象からマイルドな印象になります。
前置き:初歩的なことをあえてお伺いしたいのですが
「初歩的なことをあえてお伺いしたいのですが、○○さんはなぜそのように思われますか?」
相手の業界のことなど、自分に知らないこともあります。
知ったかぶりしても始まりません。相手からすると初歩的なことかもしれないことなのであれば、教えて頂くという姿勢を明確にすることで、相手の気分を害すかも、、という不安にワンクッション置くこともできます。
前置き:プライベートに踏み込んで
「プライベートに踏み込んでお伺いするかもしれませんが、 ○○さんはなぜそのように思われますか?」
これも、最初に前置きするだけで、 相手の気分を害すかも、、という不安にワンクッション置くこともできます。