「事例」は、実際にあった前例ということでもあり、とても迫力があるものです。それを活用していくことで、相手のお役に立てる場合があります。
和仁達也「プロの思考整理術」(かんき出版)を参考にしつつ、キャッシュフローコーチとして考えたこと。
”事例”は人を惹きつける
「事例」には、人を惹きつける魅力があります。
前例であり、実際にあった話なので、とても説得力があります。
自分にとって何かしら役に立つ要素はないか、という視点で聞きます。
この時点で、事例(他人ごと)が”自分ごと”へと変わっているため、真剣に自分のことを考え、行動を起こしていくきっかけにもなっていきます。
その人そのものへの指摘ではなく、事例の方が伝わる場合が多い
その人そのものに対して、ダイレクトに指摘やアドバイスをしても、受け入れてもらえない場合がほとんどです。
- 傷つきたくない
- 自分の考えを否定されたくない(否定されたら、どうすればいいか分からなくなってしまう)
- 自分よりも年下の人間には言われたくない
- 現実問題、自分のことを客観的に見ることができない
など、人には防衛本能があり、他人からのダイレクトの指摘やアドバイスを、そのまますんなり受け入れることは難しいものです。
また、他人のことはよく見える人でも、自分のことは客観的に見えないのが人間です。
ダイレクトに指摘されたとしても、上記のバイアスに加えて、”自分はそんなことない”と考えるのが通常です。
一方、「事例」は、他人の話なので、客観的に見ることができます。なおかつ、他人から指摘されるのではなく、自分で自分に活かす道筋を考えるので、バイアスもかかりません。
自分でエンジンをかけると、行動へと結びつくまでのインターバルはとても短く、いち早く変化や前進へと進んでいくことができます。
事例ストーリー3種類
自分の事例(体験談)
自分の体験談であれば、説得力があります。
また、自己開示することで、相手との心理的な距離感を縮めてくれる場合もあります。
ただ、あくまで相手起点で考える必要があります。自分が中心になってしまうと、相手の心は離れてしまいます。
他の事例
他であった事例も、実際にあった話・前例なので、話によっては、相手にとってとても参考になることも多いものです。
自分の状況と似通ったものを感じると、”自分ごと”と感じて聞くことにもなります。
有名人の事例
誰もが知っている有名人の例も、共感を得やすいものです。
相手の「背景」を知ろうとする=相手視点へと繋がる
相手にとって役に立つ「事例」を話すことができるかどうかは、相手のことをどれだけ知っているかにかかっています。
相手のことを知らない状態で無理矢理何らかの「事例」を話したとしても、その「事例」が相手にとって役に立つものかどうかが当てずっぽうになってしまいます。
そうならないためには、まずは自分自身が相手の「背景」を知り、相手の状況にできるだけシンクロする必要があります。
相手の「背景」を知れば知るほど、相手の立場が分かり、それに即した「事例」を話すことができます。