整理できていること・整理しやすいことを簡潔に話すシチュエーションとは異なり、どこかに引っかかりがありながら話すときは、まずは話の内容を自由に話してもらうということ、そして具体的に整理していくということが必要といえます。
和仁達也「プロの思考整理術」(かんき出版)を参考にしつつ、キャッシュフローコーチとして考えたこと。
いきなり結論で話してうまくいくとき・いかないとき
すべての状況がきちんと整理できているのであれば、話はシンプルに進みます。
会話・会議・打合せなどでも、”現状→論点→対応策”という順番で進み、具体的な行動として前に進んでいくことができます。
そのような場合においては、いきなり結論から言い合う方が簡潔ですし、むしろそのような会話で進んでいくトレーニングもしていくべきことだと思います。
一方、相手にいきなり結論を話したら、逆にうまくいかないケースもあります。
相手が、状況が整理できていない場合です。
相手がうまく整理できていない状態で、あまり事情も聞かずに、断片的な言葉を捉えて、結論を話すと、相手のなかで不満が溜まっていく場合がほとんとです。
フリーに話してもらい、頭からいったん外に出してもらう
”すべての状況がきちんと整理できている状態”ばかりではありません。
大体の場合においては、心のなかの感情はモヤモヤしていて、頭のなかも混沌としています。
かといって、頭のなかにずっと留め置いていたとしても、”いつか整理される”ものばかりでもありません。
そのような場合は、まずは最初は整っていなくとも、まずは”今思っていること”をフリーに話してもらうようにしています。
頭のなかに留め置いたままでは解決することも少ないので、まずは頭のなかから”言葉”という形で外に出してもらい、話してもらうなかで、以下のような質問をしていくようにしています。
- いつ頃のことですか?(When)
- 誰がおっしゃったのですか?(Who)
- それはどこの場所でしたか?(Where)
- それはなぜそう思われたのですか?(Why)
- そのとき何をすればよいと思われましたか?(What)
- そのときどう思われましたか?(How)
和仁達也「プロの思考整理術」(かんき出版)でとても簡潔で意味深い言葉だな、と思うワードがありました。
「感情の言語化」
というワードです。
感情を感情のままにしておいてもモヤモヤするだけですし、まずはどんな形でもよいので、「言語」という形で頭の外に出してもらう。
そして、外に出してもらった「言語」を2人で眺めつつ、より明らかにしたり、順番を考えたりしていく。
そのことによって、相手の感情が整っていく、という順番です。
「他人から言われたこと」と「自分で決めたこと」
「他人から言われたこと」を即座に素直に聞ける人というのは、なかなかいるものでもありません。
一方、「自分で決めたこと」には、人は即座に従って行動していきます。
「他人から言われたこと」をすぐに自分の行動に移しているように見えるのは、他人から言われたことを自分のなかに腹落ちさせるスピードが速いからなのだろうと思います。
自分で振り返ってみても、数年前に「他人から言われたこと」が未消化のまま残っていて、数年後に腹落ちして行動に移せている、といったこともあります。
一方、他人から言われたことであれ、それを「自分で決めたこと」に取り込めたら、そこからは行動は速いものです。
最終的には、「自分で決めたこと」が行動の起点となるので、それをいかにうまく醸成していけるか、ということにかかってくるのだろうと感じます。