相手に色々な決めごとをしてもらわなければならない場面で、相手に主体的に決めてもらうためにできる工夫を整理してみました。
和仁達也著「コンサルタントの対話術」(かんき出版)を読んで学んだこと、キャッシュフローコーチとして感じたこと。
色々と決めごとが必要なとき
経営には色々な決めごとが伴います。
相手側が自発的に気づき、決めてくれることばかりであればよいのかもしれませんが、こちら側から気づき、提案したいと思うこともあります。
しかし、その提案には工夫が必要だと思っています。
たとえ、その提案が相手にとって最適だと考えたとしても、それはあくまで自分が最適だと考えているに過ぎません。
何が最適だと納得して採用するかは、あくまで相手が決めるべきことです。
提案を考えているなかでは、なんとなく自分のなかだけで結論を出してしまいがちですが、それを押し付けるのは相手の不満に繋がります。
基本、人は、「自分のことは自分で決めたい」と考えているものです。
選択肢を並べる
答えありきで話してしまうと、結果としてその答えが最善案であったとしても、相手にとってはあまり気持ちのよいものではありませんし、ともすると不満にも繋がるものです。
そのため、選択肢を並べて語るようにしています。
選択肢を並べ、それぞれのメリット・デメリットを説明した上で、相手と一緒に吟味し、考えていくと、相手にとっても納得感を持って決めることができます。
さらにこのようなアプローチは、話す側にもメリットのあることです。
答えありきで話すと、可決か否決の二択になってしまいます。
可決であればいいのでしょうが、否決されることもありえます。
否決されると、なんだか否定・拒絶されたように感じ、次回からの提案に対して非常に慎重になってしまいます。
選択肢を持って話していくと、いずれにしてもどれかが可決されることになるので、否定・拒絶されるような気になりません。
次回からの提案に及び腰になりません。
お困りごとを、本人以上に言語化して伝える
最初に、相手が困っているであろうことを、本人以上に明確に言語化して伝えるようにしています。
そのことによって、相手も普段モヤモヤしていることが明確になり、共感してくれるようになります。
結果、相手は”自分ごと”として「聞く姿勢」を持ってくれるようになる気がしています。
他事例ストーリーを伝える
最初に、他の事例で実際にあったことを伝えるようにしています。
他事例であれば臨場感がありますので、相手も「聞く姿勢」を持ってくれるようになります。
上記に共通していえることは、きちんと相手のことを考えた上での提案なのだ、ということを端折らずに「前置き」でしっかりと示す、ということです。
考えが自分のなかで進んで固まってしまうと、なんとなく端折りがちなものですが、端折らずにきちんと伝えることで、話も滑らかにしていくことができます。
そして、相手も、主体的に、納得感をもって、決めて進んでいくことができます。